E-invoice、7種類全部覚える必要ある?|政令70/2025で押さえたい6つの論点

ベトナムE-invoice、7種類全部覚える必要ありますか?|政令70/2025でまず押さえたい6つの論点【2026年実務】
「E-invoiceはもう導入済みなのに、政令70でまた何か変わったの?」「VAT invoiceとSales invoice、輸出のときはどれを出すの?」「月末一括発行、まだ通る?」——ベトナム進出・現地法人の経理・税務担当者から、マナラボ編集室でもこの手の相談が増えています。E-invoiceは名前だけ見ると「請求書の電子化」に見えやすいのですが、2026年のベトナムでは、税務データの統制・連携を前提とした制度になっています。
結論から言うと、7種類のインボイス類型を全部暗記する必要はありません。ただし、2026年の読み方は「政令123/2020(政令70/2025改正)+通達32/2025」 です。旧通達78/2021ベースの社内マニュアルをそのまま使っていると、発行タイミングや訂正フローでズレが出やすいです。高リスク判定の枠組みは、通達32が引用する通達31/2021に加え、2026年7月1日から通達94/2026 も確認してください。
📖 目次
- この記事は、こんな方に向けて書いています
- まず結論:7種類より「6論点+8項目チェック」で十分
- 2025年改正からの変更点3つ
- E-invoiceは「請求書発行」ではなく「税務データの統制」
- E-invoiceとVATインボイスは同じものではありません
- 7種類のうち、実務でよく使うのはどれか
- E-invoiceとVAT法はセットで読む
- 日系企業が最初に見るべき6つの論点
- 旧Thông tư 78/2021と何が違うか
- 起きやすい5つの事故パターン
- 今日から確認できる実務チェックリスト(8項目)
- マナラボ編集室の見方、現場で何を優先するか?
- 断定しにくい論点
- 一次情報の確認順
- まとめ
- 📚 マナラボ編集室|関連記事
- 👤 著者・監修者情報
- 根拠一覧・参考情報
- 注意書き
この記事は、こんな方に向けて書いています
- ベトナム現地法人の経理・税務・販売管理担当者
- 日本本社の海外管理部門で、E-invoice制度の全体像を把握したい方
- VAT invoiceとSales invoice、e-commercial invoiceの違いを整理したい方
- 政令70/2025施行後、社内マニュアルやERP運用を見直したい方
- 輸出・B2C・対査型サービスなど、業態別の発行ルールを確認したい方
まず結論:7種類より「6論点+8項目チェック」で十分
- 7種類全部を暗記する必要はない。日常の多くは VAT invoice + コード付き/なし で回る。
- 2026年の法令読みは
政令123/2020(as amended by 70/2025)+通達32/2025。78/2021は参照用。高リスク分類は通達32が引用する通達31/2021に加え、2026年7月以降は通達94/2026も確認。 - 発行タイミングが業種別に細分化。輸出は通関翌営業日、対査型サービスは翌月7日など。
- e-commercial invoice(第8条2a項・70/2025新設)と POS起票型(第11条・70/2025改正)は、輸出・B2C業態で追加確認が必要。
- 訂正方式(điều chỉnh / thay thế) は初回選択を継続する整理(第19条5項a・70/2025新設)。
- *高リスク通知(01/TB-KTT)後は10営業日以内に有コードへ移行(通達32第8条2項)。
- 仕入側も tracuuhoadon 等での portal 照合が実務上必須。
※本記事は、マナラボ編集室が2026年7月12日時点で確認できる公開情報に基づく一般情報です。個別の判断は、所轄の税務当局(Cục Thuế)や専門家にご確認ください。
2025年改正からの変更点3つ
- 発行タイミングが細かく明文化されました。輸出は通関翌営業日(123/2020 第9条1項・70/2025改正)、対査型サービスは翌月7日(123/2020 第9条4項a)など、業種別ルールが増えています。
- 輸出向け e-commercial invoice(123/2020 第8条2a項・70/2025新設)と POS起票型E-invoice(123/2020 第11条・70/2025改正)の位置づけが強化されました。
- 訂正・差替 のルールが明確化され、123/2020 第19条5項a(70/2025により新設)により、一度選んだ方式(điều chỉnh / thay thế)を継続する整理になっています。
発行時点だけ深掘りしたい場合は、商品・サービス別インボイス発行時点ガイド(政令70/2025) を、POS運用は POSレジ×電子インボイス解説 を参照してください。
E-invoiceは「請求書発行」ではなく「税務データの統制」
2026年時点のベトナムE-invoice制度は、上位法として 税務管理法38/2019/QH14、中核政令として 政令123/2020/NĐ-CP、主要改正として 政令70/2025/NĐ-CP、現行実務通達として 通達32/2025/TT-BTC で運用されています。
通達32/2025 は通達78/2021を置き換え、2025年6月1日から有効です。財務省の公式解説では、政令70/2025は政令123/2020の61条のうちおおむね40条を改正(大規模改正)と説明されています。※条数はMOF公表ベースの概数です。
2026年の読み方(E-invoice本体)
= 政令123/2020(as amended by 70/2025)+ 通達32/2025
高リスク分類(移行通知の前提)
= 通達32第8条2項が引用する通達31/2021
※2026年7月1日から税務リスク管理の枠組みは通達94/2026へ置換。運用確認は94も見る
旧通達78/2021 = 参照用の旧ルール(現行運用の主軸ではない)
E-invoiceを「PDF請求書をメールで送る仕組み」と理解していると、現場で必ずズレます。法令上、electronic invoice(Hóa đơn điện tử)は、税務当局コード付きまたはコードなしの、電子データ形式で作成される請求書 です(政令123/2020 第3条)。会計・税務要件を満たす標準化データであり、税務当局への連携を前提にした制度上の証憑です。
E-invoiceとVATインボイスは同じものではありません
VATインボイス(Hóa đơn GTGT) は、VAT控除方式(phương pháp khấu trừ) の事業者が使う基本類型です。国内販売、サービス提供、国際運送、非関税地域向け輸出などに使われ、仕入VAT控除 と最も強く結びつきます(Nghị định 123/2020 第8条)。
一方、E-invoiceは「VATインボイスだけ」を指しません。2026年時点で押さえるべき主要類型は次のとおりです。
※下表の「7種類」は 第8条の法定分類そのものではなく、取引類型(VAT/Sales)と連携方式(コード付き/なし・POS・e-commercial等)を実務向けに並べた整理です。
| 類型 | 主な適用場面 | 根拠(2026年) | 混同しやすいポイント |
|---|---|---|---|
| VAT invoice | 控除方式事業者の国内取引・輸出等 | 政令123/2020 第8条1項 | 「VATインボイス=E-invoice全部」ではない |
| Sales invoice | 直接法(phương pháp trực tiếp)事業者 | 政令123/2020 第8条2項 | VAT invoiceと取引相手を間違えやすい |
| E-invoice with tax authority code | コード付きが求められる納税者 | 政令123/2020 第3条2項a・第17条 | 高リスク通知後の移行対象 |
| E-invoice without tax authority code | 事前登録承認後に利用 | 政令123/2020 第18条・第22条 | データ送信義務が消えるわけではない |
| Cash register generated e-invoice | B2C小売・飲食・ホテル等 | 123/2020 第11条(70/2025改正) | 署名不要・QR/URL提供(70改正) |
| E-commercial invoice | 輸出者の電子データ送信 | 123/2020 第8条2a項(70/2025新設) | 輸出部門要確認 |
| VAT invoice cum tax refund declaration | 観光還付等 | 政令123/2020 第10条1項a・第10条17項(70/2025新設)+通達32第7条 | 還付様式・表示は通達32がガイド |
現場では、まず 「自社は控除方式か直接法か」 と 「輸出か国内か」 を確認するだけで、類型の大半は絞れます。
7種類のうち、実務でよく使うのはどれか
7種類と並べると全部同じ重さに見えますが、実務で毎月触る頻度 は全然違います。次の3段階に分けると理解しやすいです。
【ほぼ全社】 … VAT invoice + コード付き/なし(登録方式)
【業態次第】 … e-commercial invoice(輸出)/ POS起票型(B2C)
【あまり触らない】 … Sales invoice(直接法事業者として発行)/ 還付申告付きVAT invoice
ほぼ全社が触るケース。日常はVAT invoice
控除方式 の日系製造・商社・サービス法人では、発行も受領も VAT invoice が中心です。
| 整理 | 意味 |
|---|---|
| VAT invoice | 取引の種類(何のインボイスか) |
| コード付き / コードなし | 税務当局との連携方式(どう送るか) |
受領側 も「PDFをもらった」で終わらせず、tracuuhoadon.gdt.gov.vn で照合するのが実務の基本です。
業態によって足す——輸出・B2C
| 業態 | 発行で追加確認 | 典型例 |
|---|---|---|
| 輸出・EPE | e-commercial invoice または e-VAT invoice | 通関翌営業日までに出す手順 |
| 小売・飲食・ホテル | POS起票型E-invoice | 店舗ごとのレジ連携・QR提供 |
| 卸+店舗の両方 | VAT invoice(B2B)+ POS起票型(B2C) | チャネルで類型が分かれる |
業態別早見表
| 業態 | 発行で最優先 | 受領で最優先 | 第2優先 |
|---|---|---|---|
| 製造・B2B商社(国内中心) | VAT invoice | VAT invoice | コード付き/なしの登録状態 |
| 輸出・EPE | VAT invoice / e-commercial | VAT invoice | 通関からの発行期限・ERP連携 |
| 小売・飲食・ホテル | POS起票型 | VAT invoice | B2B卸のVAT invoice |
| 物流・配送 | VAT invoice | VAT invoice | 記載事項(車両番号・行程) |
| IT・広告・通信(対査型) | VAT invoice | VAT invoice | 翌月7日ルール |
| 観光・免税店 | VAT invoice / 還付申告付き | VAT invoice | 還付様式 |
E-invoiceとVAT法はセットで読む
インボイス制度だけを見ても足りません。仕入VAT控除 や 還付 の判断は、VAT法側とも接続します。
| レイヤー | 法令 | 役割 |
|---|---|---|
| E-invoice本体 | 政令123/2020(政令70/2025改正)、通達32/2025 | 類型、登録、発行タイミング、訂正、送信、委任 |
| 高リスク分類 | 通達31/2021(通達32が引用)→通達94/2026(2026年7月1日置換) | 有コード移行通知の前提となる税務リスク評価 |
| VAT接続 | VAT法48/2024、政令181/2025、通達69/2025、政令144/2026 | 控除・還付・適格性・後払い証憑 |
| 制裁 | 政令125/2020 | 発行不備、無効invoice利用、未送信等 |
インボイスを受領したから控除できる わけではありません。インボイスの真正性(portal照合)と、VAT法上の控除要件の両方を見る必要があります。
日系企業が最初に見るべき6つの論点
| # | 論点 | 旧→新の要点 | 今日確認すること |
|---|---|---|---|
| 1 | 発行タイミングの厳格化 | B2B一般取引で月末一括が通りにくい | 取引の種類ごとに「いつ・誰が発行するか」 |
| 2 | 輸出と e-commercial invoice | 通関日の翌営業日まで(第9条1項・70/2025改正) | 輸出部門とERPの連携手順 |
| 3 | POS起票型の義務拡大 | 世帯・個人は年商10億VND(01 tỷ)以上等、企業はB2C指定業種(第11条1項・70/2025改正) | 店舗POSとベンダーの適合性 |
| 4 | 訂正・差替の方式固定 | 第19条5項a:初回選択方式を継続 | hủy/điều chỉnh/thay thếの標準フロー |
| 5 | 高リスク→有コード移行 | 通達32第8条2項:01/TB-KTT通知後10営業日(リスク枠組みは通達31→94/2026) | e-portal通知の監視責任者 |
| 6 | portal照合(仕入側も) | 受領だけでは不十分 | tracuuhoadon の定例照合 |
1. 発行タイミング
123/2020 第9条(70/2025改正)により、取引類型ごとの発行時点がより明確になっています。
| 取引 | 発行期限(原則) | 根拠 | 典型業種 |
|---|---|---|---|
| 輸出 | 通関日の翌営業日まで | 123/2020 第9条1項(70/2025改正) | 製造・EPE・輸出部門 |
| 対査型サービス | 翌月7日まで、または約定期間終了後7日以内 | 政令123/2020 第9条4項a | 通信・物流・IT・銀行 |
| 一般サービス | 提供完了時、または前払い・提供中入金時 | 政令123/2020 第9条2項 | コンサル・保守等 |
| POS/B2C | POS起票または業種別の日次・月次まとめ | 123/2020 第11条(70/2025改正)、第9条4項l等(※4項gは70/2025で廃止) | 小売・飲食・ホテル |
B2Bの 「月末にまとめて発行している」 運用は、取引類型によっては法令上のリスクになり得ます。詳細は 発行時点ガイド(政令70/2025) を参照してください。
2. 輸出と e-commercial invoice
e-commercial invoice が輸出者向けに新設されました(123/2020 第8条2a項・70/2025新設)。輸出時は e-commercial / e-VAT / e-sales invoice を使用でき、通関日の翌営業日まで に発行する整理です。
3. POS起票型
世帯・個人事業者で年商10億VND(01 tỷ đồng)以上等、および消費者向け販売を行う企業(小売・飲食・ホテル・旅客輸送等の指定業種)(123/2020 第11条1項・70/2025改正)。署名不要に加え、70改正でSMS/メール等の電子交付またはURL・QRによる照会・ダウンロードが明文化されています。運用の細部は POSレジ×電子インボイス解説 を参照してください。
4. 訂正・差替
エラー処理は次の4パターンで分けるのが合理的です。
- 軽微誤り(buyer名称・住所のみ)— 123/2020 第19条1項a(70/2025改正)
- 本質誤り(金額・税額・品目)— điều chỉnh または thay thế(第19条1項b)
- 未送付・送付前の誤り — hủy(取消)のうえ再発行(※70/2025改正で条構成が変わったため、Mẫu 04/SS-HĐĐTと税務当局の運用に従う)
- 旧紙・旧制度インボイス — 登録承認後の未使用紙廃棄は123/2020第15条3項。旧政令51/2010・04/2014等で発行済みの誤りは通達32第12条6項(電子インボイスでの差替)。※通達32第8条は無コード→有コード移行であり、旧紙置換の根拠ではない
第19条5項a(70/2025新設)では、一度選んだ訂正方式は後続エラーでも同方式を継続 します。
5. 高リスク納税者
通達32/2025 第8条2項:無コード利用者が税務管理法91条2項の対象で、税務高リスクと判定され、税務当局から 01/TB-KTT で通知された場合、通知日から 10営業日以内 に有コードへ登録変更する(手続は 123/2020 第15条)。12か月後に無コード復帰を申請できるが、可否は当局判断です。
リスク判定について、通達32の文言は 通達31/2021 を引用しています。一方、税務リスク管理の枠組み自体は 2026年7月1日から通達94/2026 へ置換されています。移行通知の監視に加え、現行のリスク分類運用は94/2026側も確認してください。
※通達32 第9条は別論点です。E-invoice登録時の高リスク兆候(代表者・住所・AML等の5基準)を定め、第8条2項の「税務高リスク」判定そのものの根拠ではありません。
6. portal照合
tracuuhoadon.gdt.gov.vn と hoadondientu.gdt.gov.vn を使った照合を定例化していないと、仕入VAT控除の真正性確認が弱いままになります。
旧Thông tư 78/2021と何が違うか
| 論点 | 旧ルール(78/2021時代) | 2026年の現行ルール | 実務影響 |
|---|---|---|---|
| 委任発行 | 関連当事者中心(旧通達78) | E-invoice利用資格があり停止対象でない第三者へ委任可(通達32第4条) | 契約、様式01登録変更、Web公表、双方名称表示が必須 |
| 請求書類型 | VAT / Sales 中心 | e-commercial invoice 新設 | 輸出ERP設計の見直し |
| 輸出発行時点 | 通関手続完了後(第13条3項c) | 通関翌営業日まで(第9条1項・70/2025改正) | 出荷・通関・会計の役割分担 |
| 記載事項 | 顧客名・TIN中心 | 車両番号・行程等(第10条・70/2025改正) | 物流/ECシステム項目の追加 |
| 電子署名タイミング | 申告基準日=発行日 | 署名・送信は原則翌営業日まで(第10条9項・70/2025改正) | バッチERPの日付管理 |
| 訂正・差替 | 都度選択可(第19条1項b・改正前は2項b) | 初回選択方式を継続(第19条5項a・70/2025新設) | 社内フローの標準化 |
起きやすい5つの事故パターン
- 部門分断 — 本社・倉庫・EPE・輸出部門で invoice logic がバラバラ
- マスタ不一致 — buyer名称・住所・TIN(MST)が契約・通関・ERPでズレ
- 物流データ欠落 — 車両番号・行程・荷送人情報をシステムが保持していない
- 訂正フロー未定義 — điều chỉnh / thay thế / hủy を担当者が都度判断
- 通知見落とし — 高リスク移行通知をベンダー任せで未確認
2026年6月には、eTax Mobile上での生体認証 を用いたE-invoice登録・変更手続の強化も周知されています。
今日から確認できる実務チェックリスト(8項目)
| # | 確認項目 |
|---|---|
| 1 | 社内マニュアルが通達32/2025基準に更新されている(旧78/2021依存を解消) |
| 2 | 発行マトリクス(VAT方式・取引相手・輸出有無・POS対象)がある |
| 3 | 輸出の発行期限が「通関翌営業日」までになっている |
| 4 | 対査型サービスの締め日・翌月7日ルールを管理している |
| 5 | hủy / điều chỉnh / thay thế の標準フローがある(初回選択の継続ルール含む) |
| 6 | 01/TB-KTT等の高リスク通知の監視責任者が決まっている |
| 7 | 仕入 invoice を tracuuhoadon で照合している |
| 8 | 委任時は契約・様式01登録変更・Web公表・双方名称表示まで手順化している |
1つでも未対応があれば、そこから手を付けるのが現実的です。
マナラボ編集室の見方、現場で何を優先するか?
第一は「うちはどの類型から押さえるべきか」です。7種類を平等に勉強するより、日常のVAT invoice運用 を先に固め、輸出・店舗がある会社だけ e-commercial invoice や POS起票型を追加設計すれば足ります。
第二は「いつ発行するか」の社内ルールです。とくに輸出と対査型サービスは、販売・物流・経理の横断会議が必要です。
第三は buyer master の統制。名称・住所・TINの不一致は、訂正 invoice の温床になります。
第四は訂正フローの固定化。4パターンのフローを1枚にまとめるだけでも、現場の判断速度は上がります。
第五は仕入側の portal 照合。月次締めの定例作業に組み込むのが現実的です。
断定しにくい論点
| 論点 | 整理 |
|---|---|
| 特定業種の発行タイミング | 医療・銀行・カジノ等、個別タイミングが細かい |
| 第三者委任の実務 | 通達32第4条:契約・様式01登録変更・Web公表・双方名称表示・無コード時のデータ送信責任が必須 |
| インボイス真正性 vs VAT控除適格 | インボイスが正しくても、VAT法上の控除要件を満たさないケースあり |
| 旧制度インボイスの誤り | 登録時の紙廃棄は123/2020第15条3項。旧政令51/2010等で発行済みの誤りは通達32第12条6項(電子インボイスでの差替) |
一次情報の確認順
- vanban.chinhphu.vn(公式法令DB)
- gdt.gov.vn(税務局公式)
- hoadondientu.gdt.gov.vn(E-invoice portal)
- tracuuhoadon.gdt.gov.vn(Invoice lookup)
まとめ
ベトナムE-invoiceを「請求書を出す制度」と捉えると、2026年の運用は苦しくなります。税務データを標準化・即時連携・トレーサブルに管理する制度 として設計し直すのが正しい理解です。
今日から動ける優先順位は次の3つです。
- Thông tư 78 → 32 への読み替え を社内マニュアルに反映する
- 発行マトリクスと「いつ・誰が出すか」の一覧 を作る(発行時点ガイド がたたき台)
- 訂正フローと portal 照合 を固定化する
関連論点として、VAT法側の改正(VAT法48/2024、政令181/2025、通達69/2025)や、2026年6月施行の 政令144/2026/NĐ-CP(仕入VAT控除・按分・後払い証憑)も、インボイス実務とセットで見る必要があります。
📚 マナラボ編集室|関連記事
ベトナムの会計・税務制度は毎年のように制度改正があります。
E-invoiceだけでなく、会計制度や会計ソフト、会計事務所選びもあわせて確認しておくことで、制度対応をよりスムーズに進められます。
著者・監修者情報
執筆・監修:菅野 智洋
日本国公認会計士。ベトナム進出企業向けに、会計・税務・内部統制・海外子会社管理・経営管理支援を専門とし、これまで250社以上の日系企業の支援に携わっています。
ベトナム会計・税務・会社設立・内部統制・給与計算・経営管理について専門家へ相談したい方は、Manabox Vietnamの顧問サービスをご利用ください。
根拠一覧・参考情報
本記事で参照した法令・当局ポータル・関連解説です。個別判断の最終確認は、一次情報の確認順 を踏まえて行ってください。
法令(一次ソース)
横断・上位法
- 税務管理法38/2019/QH14(Luật Quản lý thuế)— E-invoice制度の上位法 — vanban.chinhphu.vn
- 電子取引法20/2023/QH15(Luật Giao dịch điện tử)— 電子データ・電子手段の法的基盤 — vanban.chinhphu.vn
E-invoice本体
- 政令123/2020/NĐ-CP(インボイス・証憑政令)第3条、第8条、第9条、第11条、第15条〜第22条、第19条1項・5項a(70/2025改正後の読み。原文単体では第8条2a項・第19条5項a等は未記載)— vanban.chinhphu.vn
- 政令70/2025/NĐ-CP(2025年6月1日施行)第8条2a項・第9条・第10条・第11条・第19条5項a等 — vanban.chinhphu.vn
- 通達32/2025/TT-BTC(2025年6月1日施行。通達78/2021を置換)第4条(委任発行)・第7条(VAT還付兼申告様式)・第8条2項(高リスク通知後の有コード移行・10営業日)・第9条(E-invoice登録時の高リスク兆候)・第12条6項(旧制度インボイスの差替)— vanban.chinhphu.vn
- 通達31/2021/TT-BTC(税務リスク管理。通達32第8条2項が引用)— 2026年7月1日から通達94/2026へ置換
- 通達94/2026/TT-BTC(2026年7月1日施行。コンプライアンス・リスク管理。通達31/2021を置換)— 現行のリスク分類運用の確認用
- 政令125/2020/NĐ-CP(税・インボイス違反の行政罰)— vanban.chinhphu.vn
VAT接続
- VAT法48/2024/QH15(新VAT法、2025年7月1日施行)— vanban.chinhphu.vn
- 政令181/2025/NĐ-CP(VAT法48の施行政令)第23条(仕入控除)・第26条(非現金支払証憑)・第29条等 — vanban.chinhphu.vn
- 通達69/2025/TT-BTC(VAT法48・政令181の細則)付録II(還付算定等)— vanban.chinhphu.vn
- 政令144/2026/NĐ-CP(2026年6月20日施行。政令181を修正。仕入控除・按分・後払い証憑)第23条・第26条等 — vanban.chinhphu.vn
調査用統合文書(参考)
- 統合文書18/VBHN-BTC(政令123+改正群の統合版、2025年7月30日公表)— 原政令の代替ではない — vanban.chinhphu.vn
GDT・運用ポータル
- 公式法令DB vanban.chinhphu.vn
- 税務総局 gdt.gov.vn
- E-invoiceポータル hoadondientu.gdt.gov.vn
- インボイス照会 tracuuhoadon.gdt.gov.vn
Manabox関連解説(実務補助)
注意書き
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。E-invoiceの類型選定、発行タイミング、訂正手続、仕入VAT控除、ベンダー選定については、所轄税務当局・専門家への確認を前提にしてください。制度変更に関する最終判断は、法令・公文書・当局運用も踏まえて個別に確認することをおすすめします。