ベトナム転職で退職・帰国するときに必要な手続き|VISA・TRC・税金・保険を解説
✈️ ベトナム転職で退職・帰国するときに必要な手続き|VISA・TRC・税金・保険を解説
ベトナムで働く日本人が退職・帰国するときに確認したい、会社手続き、VISA、TRC、ワークパーミット、個人所得税、社会保険一時金、銀行口座などを分かりやすく解説します。
✈️ 退職・帰国
🛂 VISA・TRC
💰 税金
🏥 社会保険一時金
ベトナムでの勤務を終えて日本へ帰国するときは、航空券を取るだけでは終わりません。
退職手続き、最終給与、個人所得税、VISA、TRC、ワークパーミット、社会保険など、確認項目は多岐にわたります。
特に見落とされやすいのが、ベトナムの社会保険一時金(BHXH một lần)です。
一定の条件を満たす外国人労働者は、社会保険一時金の対象となり得ます。
ただし、退職すれば誰でも自動的に全額返金される制度ではありません。
対象条件、申請時期、加入記録、必要書類などを確認する必要があります。
さらに、2025年7月1日からは社会保険法41/2024/QH15が施行されています。
そのため、古い情報だけで判断しないことが重要です。
そこで本記事では、ベトナム転職後に退職・帰国する日本人向けに、必要な手続きを順番に整理します。
社会保険一時金については、ほかの項目より詳しく解説します。
目次
退職・帰国前に確認したい手続き一覧
まず、帰国日だけを先に決めないようにしましょう。
会社側の退職処理や行政手続きには時間がかかる場合があります。
次に、自分名義の契約を洗い出します。
住居、銀行、携帯電話、インターネットなどです。
さらに、税金と社会保険も確認します。
特に外国人の社会保険一時金は、対象条件と申請時期の確認が重要です。
| 分野 | 主な確認事項 | おすすめ時期 |
|---|---|---|
| 退職 | 退職日、引き継ぎ、会社資産返却 | 退職決定後すぐ |
| 給与 | 最終給与、未精算経費、賞与条件 | 退職前 |
| 税金 | PIT確定・精算、追加納付・還付 | 出国前を基本に確認 |
| 在留 | VISA、TRC、有効期限、返却等 | 帰国日確定後すぐ |
| 就労 | ワークパーミット関連の終了処理 | 退職前後 |
| 社会保険 | 加入記録、一時金の対象条件 | 退職前から確認 |
| 生活 | 住居、銀行、携帯、公共料金 | 帰国1〜2か月前 |
会社との退職手続きと最終給与
退職日と最終出勤日を確認する
雇用契約書と社内規程を確認し、最終出勤日と雇用関係の終了日が異なる場合もあるため、書面で整理しましょう。
最終給与と未精算経費を確認する
最終月の給与を確認し、出張費や立替経費が残っていれば、同時に精算状況を確認してください。
賞与・13か月給与の条件を確認する
賞与や13か月給与がある場合は支給条件を確認し、退職日や在籍条件によって扱いが変わることがあります。
会社資産を返却する
制服、パソコン、携帯電話、社員証、鍵など会社からの貸与物や、会社データと個人アカウントの整理にも注意しましょう。
個人所得税(PIT)の確定・精算
ベトナムで給与所得を得ていた日本人は、帰国時に個人所得税の処理を確認する必要があります。
特に、税務上の居住者である外国人が雇用契約を終了して出国する場合は、出国前の税務確定が重要です。
条件によっては、法令に基づく委任手続きが関係することもあります。
追加納付と還付の両方を確認する
まず、年間所得と源泉徴収額を確認します。
追加納付が生じる場合もあれば、納め過ぎによる還付の可能性もあります。
複数所得がある場合は早めに整理する
一方、複数社から給与を受け取った場合や国外所得が関係する場合は確認事項が増えます。
必要に応じて税務専門家へ相談してください。
注意
居住者・非居住者判定や確定申告は個別事情で変わりまので本記事だけで判断しないでください。
VISA・TRC・ワークパーミットの確認
TRCはカード表面の期限だけで判断しない
退職に伴う滞在根拠の変化を確認し、会社側の手続きや原本返却の要否も確認しましょう。
退職日から出国日までを確認する
退職後から帰国便までの滞在状態を確認し、帰国日を先に決める場合でも、適法な滞在状態を維持できるか確認してください。
ワークパーミットの終了関連処理を確認する
会社側が行う終了関連手続きの有無を確認し、別企業へ転職する場合も、前職の許可をそのまま使えると考えず、新勤務先で必要な対応を確認しましょう。
外国人の社会保険一時金とは?
ここからは、帰国時に特に重要な社会保険一時金を詳しく解説します。
ベトナム語では、社会保険一時金は一般に「BHXH một lần」と呼ばれます。
一定の条件を満たす加入者が、一時金として給付を受ける制度です。
外国人労働者も、ベトナムの強制社会保険制度の対象となる場合があります。
そして、法令上の条件を満たす場合は社会保険一時金の対象となり得ます。
「社会保険の全額返金」ではありません
よく「払った社会保険が全部戻る」と説明されますが、その情報としては正確ではありません。
受給額は法令上の計算方法に基づき、加入期間や算定基礎給与などで変わります。
2025年7月1日には社会保険法41/2024/QH15が施行されました。
情報は常に新しくなりますので、古い記事などだけで判断せず、現在の状況の確認が重要となります。
社会保険一時金の対象条件
外国人労働者の一時金は、「退職した」という事実だけで自動的に支給されるものではありません。
まず、自分が強制社会保険へ実際に加入していたか確認、次に、外国人労働者について法令上の受給事由に該当するか確認します。
確認の順番
- ベトナムの強制社会保険へ加入していたか
- 加入期間は何か月あるか
- 社会保険記録に漏れや誤りがないか
- 雇用契約はいつ終了するか
- ベトナムを出国する予定か
- 法令上の一時金受給条件に該当するか
- 申請可能時期はいつか
外国人労働者の条件は、ベトナム人向けの一般的な「退職後12か月」という説明をそのまま当てはめないでください。
外国人向け規定と本人の状況を個別に確認する必要があります。
いつ申請できる?帰国後でも可能?
退職日だけで判断しない
雇用契約の終了日と実際の出国予定と社会保険加入終了の状況を整理します。
外国人向けの申請時期を確認する
外国人労働者については、国家公共サービスポータルの手続き情報と現行法令を確認することが重要です。
申請可能時期は受給事由と個別状況を踏まえて判断します。
帰国後の手続きは事前準備が重要
すでに日本へ帰国した後でも、個別状況に応じて手続き方法を検討できる場合があります。
ただし、署名書類、本人確認、委任、受取方法などの確認が必要です。
そのため、可能であれば帰国前に加入記録と必要書類を確認しましょう。
社会保険一時金はいくら受け取れる?
月給2,000USDで2022年から5年間働いた場合
ベトナムで退職・帰国する日本人にとって、特に気になるのが「社会保険一時金を実際にいくら受け取れるのか」という点です。
ここでは、実際にわかりやすく月給2,000USDの日本人が、2022年1月から2026年12月までベトナムで勤務し、各時期の社会保険算定上限で加入していた場合をモデルで計算します。
今回の参考モデル
- Gross月給:2,000USD
- 対象者:強制社会保険の対象となる外国人労働者
- 加入期間:2022年1月〜2026年12月
- 社会保険:毎月継続して加入
- 各時期の社会保険算定上限に達している前提
- 実際の受給額は本人の加入記録・算定額によって異なる
加入時期によって受給参考額は変わる
同じ月給2,000USDでも、社会保険料を納付した時期によって、一時金の参考額は異なります。
| 社会保険料の納付対象期間 | 勤務期間 | 一時金の参考額 |
|---|---|---|
| 2022年1月〜2023年6月 | 1.5年間 | 約3,570USD |
| 2023年7月〜2024年6月 | 1年間 | 約2,960USD |
| 2024年7月〜2026年6月 | 2年間 | 約7,400USD |
| 2026年7月〜2026年12月 | 0.5年間 | 約1,850USD相当 |
3,570USD + 2,960USD + 7,400USD + 1,850USD
= 約15,780USD
月給2,000USDで5年間勤務した場合の参考額
Gross月給2,000USDの日本人が、2022年1月から2026年12月まで継続して社会保険へ加入し、各時期の社会保険算定上限に達していた前提では、年金脱退一時金は約15,780USDが一つの参考目安となります。
VNDでは約4億VND規模
仮に1USD=26,000VNDで換算すると、約15,780USDは次の金額です。
15,780USD × 26,000VND
= 約410,280,000VND
つまり、単純換算では約4億1,028万VNDです。
月給2,000USD以上なら一時金は同じ?
月給2,000USD以上でも、社会保険一時金が無制限に増えるわけではありません。
実際のBHXH算定基礎給与が各時期の法定上限に達している場合、それ以上Gross給与が高くなっても、上限を超えた部分はBHXHの計算基礎には反映されません。
そのため、2,000USD・3,000USD・4,000USDの人でも、同じ算定上限で加入していれば、一時金の参考額は同水準となります。
| Gross月給 | 加入期間 | 算定前提 | 一時金の参考額 |
|---|---|---|---|
| 1,000USD | 2022年1月〜2026年12月 | 月給相当額を基準に試算 | 約10,000USD |
| 1,500USD | 2022年1月〜2026年12月 | 期間ごとに給与相当額または算定上限を適用 | 約14,450USD |
| 2,000USD | 2022年1月〜2026年12月 | 各時期の算定上限 | 約15,780USD |
| 3,000USD | 2022年1月〜2026年12月 | 各時期の算定上限 | 約15,780USD |
比較表の前提
上記は、2022年1月から2026年12月まで5年間継続して社会保険へ加入した場合の参考モデルです。
1,000USD・1,500USDのケースは、給与相当額と各時期の社会保険算定上限をもとにした簡易試算です。
一方、2,000USD・3,000USDのケースは、各時期の社会保険算定上限に達している前提で試算しています。
重要な注意点
上記は、Gross月給2,000USDを弊社の参考モデルとし、期間別の還付額目安を参考に試算したものです。
実際の受給額は、本人の社会保険加入記録、各月の社会保険算定額、加入期間、給与調整、申請時点の法令や行政運用などによって異なる可能性があります。
また、月給2,000USDでも、会社が社会保険機関へ申告している社会保険算定額が上限未満の場合、上記の参考額より低くなる可能性があります。
Vietnam CAMCOMでは、ベトナムで勤務した日本人の方向けに、社会保険一時金の対象可能性確認、加入記録の確認支援、必要書類の案内、申請準備、帰国後の手続き支援・代行相談に対応しています。
必要書類・申請方法・処理期間
国家公共サービスポータルには、社会保険一時金の行政手続きが掲載されています。
主な確認書類
- 社会保険に関する記録・帳簿情報
- 社会保険一時金の申請書
- 本人確認に関する書類
- 外国人労働者の受給事由を確認する書類
- 代理手続きの場合に必要となる委任関係書類
- 給付金の受取方法に関する情報
申請方法
公式手続き情報では、直接提出などの方法が案内されています。実際の提出方法は、本人の状況と最新の行政手続き表示を確認してください。
処理期間
国家公共サービスポータルの手続き情報では、外国人労働者について、必要書類受理後5営業日と案内される手続き情報があります。
ただし、これは完全な申請書類が受理された後の行政処理期間です。書類準備、補正、加入記録確認、送金などに別途時間がかかる可能性があります。
代理手続きとVietnam CAMCOMの支援
日本へ帰国した後は、ベトナム側の行政手続きを自分だけで進めることが難しい場合があります。
たとえば、書類確認、加入記録の確認、申請準備、ベトナム語でのやり取りなどが負担になりやすいポイントです。
そこで、Vietnam CAMCOMでは、ベトナムで勤務した日本人の方向けに、社会保険一時金に関する手続き支援・代行相談に対応しています。
相談内容の例
- 社会保険一時金の対象可能性に関する事前確認
- 加入記録や必要情報の確認支援
- 必要書類の案内
- 申請準備の支援
- 委任による対応可否の確認
- 帰国後の手続き相談
すべての方が受給できるわけではありません。また、支援・代行範囲は本人の状況、保有書類、行政機関の運用などによって異なります。正式な受任前に個別確認が必要です。
銀行口座・携帯・住居など生活手続き
銀行口座
給与、税還付、社会保険給付の受取予定を確認します。帰国直前に口座を閉じると、後の受取に影響する可能性があります。
携帯電話
SMS認証が必要なサービスを確認します。銀行や各種オンラインサービスで登録番号を使っている場合は注意しましょう。
住居
賃貸契約の解約期限、保証金、電気・水道・管理費を整理します。
民間医療保険
会社加入の民間医療保険がいつ終了するか確認します。退職日と保険終了日が同じとは限りません。
帰国前チェックリスト
- 退職日と最終出勤日を確認した
- 最終給与と未精算経費を確認した
- 賞与・13か月給与の条件を確認した
- PITの確定・精算方法を確認した
- VISAの状態を確認した
- TRCの返却・処理方法を確認した
- ワークパーミットの終了関連処理を確認した
- 社会保険番号と加入記録を確認した
- 社会保険一時金の対象可能性を確認した
- 一時金の必要書類を確認した
- 帰国後の代理手続き可否を確認した
- 銀行口座を閉じる時期を確認した
- 携帯電話番号の必要性を確認した
- 住居解約と保証金返還を確認した
- 会社資産を返却した
よくある質問
Q1. 日本人でも社会保険一時金を受け取れますか?
対象となり得ますが、受取口座はベトナム口座のみです。
まず強制社会保険への加入状況を確認し、そのうえで、外国人労働者に関する現行法令上の受給条件を確認する必要があります。
Q2. 退職すれば社会保険料が全額戻りますか?
「全額返金」と考えるのは適切ではありません。
一時金は法令上の算定方法に基づきます。
Q3. 日本へ帰国した後でも相談できますか?
個別状況に応じた相談は可能です。
ただし、必要書類、本人確認、委任、受取方法などを現地で確認する必要があります。
Q4. 会社が自動で申請してくれますか?
自動的に申請されるということはまず考えない方がよいでしょう。
本人の申請意思や必要書類が関係します。
会社の支援範囲も確認してください。
Q5. TRCの期限が残っていれば退職後も問題ありませんか?
カード表面の期限だけで判断しないでください。
退職に伴う滞在根拠や会社側の手続きが関係する場合があります。
まとめ
ベトナムでの勤務を終えて帰国するときは、退職手続きだけでなく、税金、VISA、TRC、ワークパーミット、社会保険まで確認する必要があります。
まず、会社との退職日と最終給与を整理しましょう。次に、PITの確定・精算と在留関係の手続きを確認します。
さらに、社会保険へ加入していた日本人は、社会保険一時金の対象可能性を確認してください。ただし、退職すれば自動的に全額返金される制度ではありません。
また、帰国後に手続きを進める場合は、書類や委任関係の準備が重要です。可能であれば、ベトナムにいる間に社会保険番号、加入記録、必要書類を整理しましょう。
つまり、帰国準備は「航空券を取って終わり」ではありません。退職が決まった段階から、会社・税務・在留・社会保険・生活契約を順番に整理することが大切です。
🏥 ベトナムの社会保険一時金でお困りの方へ
ベトナムを退職・帰国する日本人の方は、社会保険一時金の対象となる可能性があります。
Vietnam CAMCOMでは、社会保険一時金に関する手続き支援・代行相談に対応しています。
すでに日本へ帰国した方も、まずは保有書類や加入状況を確認したうえでご相談ください。
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参考情報
本記事は、ベトナムで勤務する日本人向けの一般的な情報として作成しています。
退職、税務、VISA、TRC、ワークパーミット、社会保険一時金の扱いは、本人の契約、加入履歴、在留状況、出国状況、制度改正、行政機関の運用などによって異なります。
正確性には配慮していますが、重要な判断では最新の公的情報を確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。