ベトナム現地採用と駐在員の違い|給与・福利厚生・将来性を比較

ベトナム現地採用と駐在員の違い|給与・福利厚生・将来性を比較

ベトナム転職ガイド|2026年版

現地採用と駐在員では、給与だけでなく、住宅、一時帰国、保険、社会保険、退職後のキャリアまで大きく異なります。

ベトナム転職を検討する日本人向けに、両者の違いを実務的な視点から比較し、自分に合う働き方を選ぶための確認ポイントを解説します。

現地採用駐在員給与比較福利厚生将来性

ベトナムで働きたいと考えたとき、 多くの人が最初に迷うのが、 日本企業から駐在員として派遣される方法と、 ベトナムにある企業へ現地採用として転職する方法の違いです。

一般的には「駐在員は給与と福利厚生が充実している」 「現地採用は自由に勤務地や仕事を選べる」と説明されます。 しかし、実際の違いはそれだけではありません。

現地採用でも会社によっては住宅、一時帰国航空券、 民間医療保険、通勤手当などが用意されます。 また、退職時にはベトナムの労働法や社会保険制度に基づき、 一定の条件で受け取れる給付が発生する場合もあります。

反対に、駐在員であっても、海外赴任規程や会社の制度によって 給与、家族帯同、教育費、帰任後のポジションは異なります。 「駐在員だから必ず高待遇」「現地採用だから福利厚生がない」 と単純に判断することはできません。

この記事では、給与額だけでは見えにくい 手取り、住宅、一時帰国、社会保険、退職金、 働き方、転職の自由度、帰国後のキャリアまで比較します。 どちらが優れているかではなく、 自分の目的や家族状況に合う働き方を見つけるためにご活用ください。

この記事で分かること

✓現地採用と駐在員の雇用形態の違い
✓給与・賞与・手取りの比較
✓住宅や一時帰国費用の違い
✓社会保険・退職金・年金の考え方
✓それぞれのメリットとデメリット
✓将来のキャリアと転職の自由度
✓現地採用に向いている人の特徴
✓駐在員に向いている人の特徴

ベトナムで働く方法は「現地採用」と「駐在員」の2種類

日本人がベトナムで企業に勤務する方法は、 大きく分けると「駐在員」と「現地採用」の2種類です。

どちらもベトナム国内で働く点は同じですが、 採用される場所、雇用契約を結ぶ会社、給与の支払方法、 福利厚生、異動や退職の考え方などが異なります。

日本本社から派遣

駐在員とは

駐在員とは、主に日本企業へ入社した後、 海外赴任命令によってベトナムの現地法人や 関連会社へ派遣される社員を指します。

雇用関係の中心は日本本社にあり、 日本の給与に加えて海外勤務手当、住宅、 医療保険、一時帰国費用などが用意されることがあります。

  • 日本本社で採用されることが多い
  • 会社の人事異動によってベトナムへ赴任する
  • 赴任期間が決められている場合がある
  • 任期終了後は日本へ帰任するケースが多い
  • 住宅や家族関連の支援が比較的充実しやすい
ベトナム勤務を前提に採用

現地採用とは

現地採用とは、ベトナムにある日系企業、 外資系企業、ベトナム企業などが、 ベトナムで勤務する人材として直接採用する雇用形態です。

日本在住中にオンライン面接を受けて内定する人もいれば、 すでにベトナムで生活している人が転職するケースもあります。

  • 自分で求人を探して応募できる
  • 勤務地や職種を比較して選びやすい
  • 給与はVNDまたはUSD基準で提示されることが多い
  • 雇用契約はベトナム法人と結ぶケースが中心
  • 福利厚生の内容は企業による差が大きい

「日本で採用されたら駐在員」 「ベトナムで採用されたら現地採用」 と考えると分かりやすいですが、 実際には日本法人とベトナム法人の双方と契約するケースや、 グループ会社間で出向するケースもあります。 最終的には雇用契約書、出向契約、給与負担会社などの確認が必要です。

駐在員は自分で赴任先を選べるとは限らない

駐在員は待遇面で有利になりやすい一方、 基本的には会社の人事異動として海外へ派遣されます。 希望を提出できる会社もありますが、 必ずしもベトナム赴任を選べるわけではありません。

また、赴任後も会社の方針によって、 日本への帰任、別の国への異動、 担当業務の変更が決まる可能性があります。

現地採用はベトナムで働くことを自分で選べる

現地採用では、ベトナム勤務を前提とした求人へ 自分の意思で応募します。 ハノイ、ホーチミン、ダナン、 バクニン、フンイエンなど、 勤務地を比較して選ぶことも可能です。

営業、生産管理、品質管理、工場長、 購買、物流、IT、経理、人事など、 自分の経験を活かせる求人を探せる点も特徴です。

駐在員
日本企業へ入社
↓
人事異動でベトナム赴任
↓
任期終了後に帰任・異動
⇔
現地採用
ベトナム求人を探す
↓
希望企業へ応募・面接
↓
現地法人へ入社・転職

ベトナム現地採用と駐在員の違い一覧

現地採用と駐在員の主な違いを一覧にすると、 次のようになります。

ただし、駐在員規程や現地採用者向けの待遇は 会社ごとに異なります。 以下は一般的な傾向としてご覧ください。

比較項目 駐在員 現地採用
採用主体 日本本社で採用され、 ベトナム法人へ派遣されるケースが中心 ベトナム法人や現地企業が ベトナム勤務者として直接採用
勤務地の選択 会社の人事異動によって決まることが多い 求人を比較し、自分で勤務地を選びやすい
給与水準 日本給与に海外勤務手当などが 加算される場合がある ベトナムの日本人向け求人市場と 本人の経験を基準に決まる
給与通貨 日本円とVNDなどに分けて 支給されるケースがある VNDまたはUSDを基準として 提示されることが多い
住宅 会社契約の住宅や住宅費補助が 用意されることが多い 自己負担、住宅手当、 会社契約など企業によって異なる
一時帰国費用 年1回など、会社規程により 支給されるケースが多い 会社によって支給あり。 内定時に確認・交渉できる場合もある
医療保険 海外旅行保険や駐在員向け保険が 用意されることが多い 民間医療保険の有無や 補償範囲は会社によって異なる
家族帯同 配偶者や子どものビザ、 保険、教育費が補助される場合がある 家族帯同は可能だが、 関連費用は自己負担となる場合が多い
社会保険 日本とベトナムの制度、 出向形態などにより取り扱いが異なる 対象条件を満たす場合、 ベトナムの強制社会保険へ加入
退職時の給付 日本本社の退職金制度や 就業規則などによって異なる 契約終了理由や勤務期間など、 法定条件を満たす場合は 退職手当の対象となる可能性がある
社会保険一時金 ベトナム社会保険への 加入状況により異なる 外国人労働者も、 契約終了など一定条件を満たし申請すれば 一時金を受け取れる場合がある
任期 3~5年など、赴任期間が 設定されることがある 原則として駐在任期はなく、 雇用契約の更新状況による
帰任 任期終了後は日本本社へ 帰任するケースが多い 自動的な帰任制度はなく、 継続勤務・転職・帰国を自分で選ぶ
転職の自由度 赴任中の転職は日本本社の 退職を伴うことが多い ベトナム国内の別企業へ 転職しやすい
キャリアの中心 日本本社での昇進や 帰任後のキャリアが中心 ベトナム・東南アジアでの 専門性や管理経験を築きやすい
向いている人 安定性、福利厚生、 日本本社での長期キャリアを重視する人 勤務地や仕事を自分で選び、 海外でキャリアを築きたい人

比較表だけで待遇を判断しないことが重要です

現地採用でも、住宅、民間医療保険、 一時帰国航空券、通勤手当、 入社時の渡航費などが支給される求人があります。 一方、駐在員の手当も会社規程によって大きく異なります。 求人票や肩書きだけで判断せず、 オファーレターと雇用契約書の内容を確認しましょう。

結論:待遇重視なら駐在員、選択の自由度なら現地採用

一般的には、給与、住宅、家族帯同支援などの 総合的な待遇は駐在員の方が充実しやすい傾向があります。

一方、現地採用は、勤務する国、地域、会社、職種を 自分で選びやすく、転職によってキャリアを広げられる点が特徴です。

ただし、専門職、工場長、部門責任者、 現地法人の経営幹部などでは、 現地採用でも高い給与や充実した福利厚生が 提示されることがあります。 最終的には雇用形態の名称ではなく、 給与・手当・保険・税金・職務内容を含めた パッケージ全体で比較することが重要です。

ベトナム現地採用と駐在員の給与・賞与・手取りを比較

現地採用と駐在員を比較するとき、 多くの人が最初に注目するのが給与です。

一般的には駐在員の方が総合的な待遇は高くなりやすいものの、 求人票に記載された月給だけを見て判断するのは適切ではありません。

ベトナム勤務の条件を比較するときは、 基本給与だけでなく、住宅、医療保険、一時帰国航空券、 賞与、税金、家族関連の補助などを含めた 年間の総合待遇を見る必要があります。

駐在員の給与は日本給与と海外勤務手当で構成されることが多い

駐在員は、日本本社の給与体系を基準として、 海外勤務手当、ハードシップ手当、役職手当、 住宅、医療保険などが追加されるケースがあります。

給与の一部を日本円で日本の口座へ、 生活費にあたる部分をVNDでベトナムの口座へ支払うなど、 複数の国や通貨に分けて支給する会社もあります。

そのため、給与明細上の月給だけでなく、 次の項目を含めて確認することが重要です。

  • 日本国内で支給される給与
  • ベトナムで支給される給与
  • 海外勤務手当
  • 役職手当・管理職手当
  • 住宅費または借上住宅
  • 一時帰国航空券
  • 海外医療保険
  • 家族帯同手当
  • 子どもの教育費補助
  • 会社負担となる税金の範囲

現地採用の給与は経験・職種・語学力によって差が出やすい

現地採用の給与は、ベトナムにおける日本人向け求人市場と、 応募者の経験、役職、語学力、専門性などをもとに決まります。

同じ現地採用でも、営業職と工場長候補、 若手採用と管理職採用では、提示される給与に大きな差があります。

特に次のような経験を持つ人は、 現地採用でも比較的高い条件が提示されやすくなります。

  • 製造工場の管理経験
  • 工場長・部門長などのマネジメント経験
  • 品質保証・品質管理の専門経験
  • 生産技術・設備・金型などの技術経験
  • 購買・調達・サプライチェーン管理経験
  • 法人営業や新規開拓の実績
  • ITエンジニア・プロジェクト管理経験
  • 経理・財務・人事などの管理部門経験
  • 英語またはベトナム語による業務経験

現地採用では、年齢だけでなく、 ベトナム法人が抱える課題を解決できる経験があるか が給与を左右します。 製造現場の改善、ベトナム人スタッフの管理、 日系顧客対応、新規事業の立ち上げなど、 具体的な成果を説明できると評価されやすくなります。

給与はGrossとNetのどちらかを必ず確認する

ベトナムの求人では、給与が 「Gross」または「Net」で表示されることがあります。

Gross給与は、個人所得税や社会保険料などを控除する前の金額です。 Net給与は、一定の税金や保険料を控除した後に、 従業員が受け取る金額を意味します。

控除前の金額

Gross給与

雇用契約上の総支給額から、 個人所得税や対象となる社会保険料などを差し引きます。

税率や控除条件によって、 実際の手取り額が変わるため注意が必要です。

手取りを基準とした金額

Net給与

従業員が受け取る手取り額を基準とする給与です。

ただし、どの税金や保険料まで会社が負担するのかは、 オファーレターや雇用契約書で確認する必要があります。

「Net給与」と書かれていても確認が必要です

Net給与の定義が会社によって異なる場合があります。 個人所得税のみ会社負担なのか、 社会保険料も含まれるのか、 年末の税務確定による追加税額を誰が負担するのかまで確認しましょう。

賞与と13か月給与は同じとは限らない

ベトナムの求人では、 「13か月給与」や「テトボーナス」という表現が使われます。

ただし、13か月給与が必ず法律上支給されるわけではありません。 雇用契約、就業規則、会社規程、 業績評価などに基づいて支給されるのが一般的です。

求人条件を確認するときは、 単に「ボーナスあり」という説明だけでなく、 次の点を確認しましょう。

  • 固定の13か月給与なのか
  • 会社業績によって変動する賞与なのか
  • 個人評価による賞与なのか
  • 入社初年度も支給されるのか
  • 試用期間中の勤務月数も算定されるのか
  • 支給日前に退職した場合も対象になるのか

給与比較では年間総額を計算する

駐在員と現地採用を比較するときは、 毎月の給与だけではなく、 1年間に会社が負担する待遇を合計して考える必要があります。

確認項目 駐在員で多い形 現地採用で多い形
基本給与 日本本社の給与体系を基準とすることが多い ベトナム求人市場と経験を基準に決定
海外勤務手当 赴任規程により支給される場合がある 原則として設定されないことが多い
賞与 日本本社の賞与制度が適用される場合がある 13か月給与や業績賞与など会社ごとに異なる
住宅費 会社負担または会社契約が多い 自己負担・手当・会社契約などさまざま
医療保険 駐在員向け保険が付くことが多い 民間保険の有無と補償額を確認
一時帰国 年1回など会社規程による 支給する企業もあるが条件確認が必要
家族関連 家族手当・教育費補助がある場合がある 原則自己負担が多いが企業により異なる
税金 税金を会社が調整・負担する場合がある Gross・Net条件によって負担方法が異なる

月給だけでなく「会社負担を含む年間待遇」で比較する

月給が高く見えても、住宅、保険、航空券がすべて自己負担であれば、 実際に自由に使える金額は少なくなることがあります。

反対に、月給が少し低くても、 会社契約の住宅、民間医療保険、 一時帰国航空券などが付いていれば、 生活費を抑えやすくなります。

内定を受けたときは、 1年間の給与、賞与、住宅、保険、 航空券、税金を一覧化して比較しましょう。

ベトナム現地採用と駐在員の福利厚生を比較

駐在員と現地採用の大きな違いとして、 福利厚生の範囲が挙げられます。

駐在員は日本本社の海外赴任規程に基づき、 住宅、保険、一時帰国、家族帯同などの支援を 受けられることがあります。

現地採用の場合は、福利厚生の内容が会社によって大きく異なります。 そのため、給与額だけではなく、 何が会社負担で何が自己負担なのかを 一つずつ確認することが重要です。

ベトナム勤務で確認したい主な福利厚生

福利厚生 確認すべき内容 特に注意したい点
住宅 会社契約、住宅手当、自己負担のどれか 家賃上限、管理費、光熱費、敷金の負担
医療保険 民間病院や日系クリニックが対象か 入院・外来・歯科・健康診断の補償範囲
一時帰国航空券 年間回数、上限金額、対象空港 本人のみか、家族も対象か
入社時の渡航費 日本からベトナムへの航空券負担 試用期間中の退職時に返還義務があるか
ビザ・労働許可 申請費用、書類認証費用、健康診断費用 本人が一時立替する必要があるか
通勤 社用車、送迎バス、タクシー、通勤手当 工業団地勤務の場合は通勤時間も確認
通信費 社用携帯、SIM、インターネット費用 業務利用分のみか、定額手当か
食事 社員食堂、昼食提供、食事手当 工場勤務では提供方法を確認
健康診断 年次健康診断と労働許可用健康診断 日本語対応病院を利用できるか
家族支援 家族のビザ、保険、渡航費、教育費 現地採用では自己負担となることが多い

現地採用でも福利厚生が充実している求人はある

現地採用は福利厚生がないと思われがちですが、 すべての求人に当てはまるわけではありません。

日本人を採用する必要性が高い企業や、 工業団地など生活拠点から離れた勤務地では、 住宅、通勤、保険、航空券などを用意することがあります。

また、工場長、技術責任者、営業責任者、 管理部門責任者などの管理職では、 一般的な現地採用よりも充実した待遇が 提示される場合があります。

福利厚生は求人票にすべて記載されているとは限りません。 求人紹介会社を利用する場合は、 住宅、保険、航空券、通勤、ビザ費用などについて、 応募前または内定時に確認してもらうとよいでしょう。

住宅手当は「現金支給」と「会社契約」で違いが出る

ベトナムで働く日本人にとって、 住宅は給与に次いで重要な待遇です。

駐在員では、会社名義でマンションやサービスアパートを借り、 従業員へ提供する方法がよく採用されます。

現地採用では、住宅費を本人が負担する求人もありますが、 住宅手当を支給する会社や、 会社名義で住宅を借りる会社もあります。

住宅の支給方法は主に3種類

会社が住宅を契約

借上住宅・会社契約

会社が賃貸契約を結び、 家賃を貸主へ直接支払います。

  • 本人が高額な家賃を立て替えずに済む
  • 契約手続きを会社が支援できる
  • 税務上、現金給与とは異なる計算になる
  • 会社が家賃上限や対象物件を設定する場合がある
給与と一緒に支給

住宅手当・現金支給

毎月の給与に住宅手当を加え、 本人が自分で物件を契約します。

  • 自分で好きな物件を選びやすい
  • 契約や敷金の管理を本人が行う
  • 現金手当は原則として給与所得に含まれやすい
  • 家賃相場の上昇リスクを本人が負う場合がある

会社契約の住宅は税務上有利になる場合がある

会社が従業員の住宅費を直接負担した場合、 住宅による利益は個人所得税の計算上、 一定の範囲で課税所得に含まれます。

ただし、一般的な取り扱いでは、 課税対象となる住宅費は、 会社が実際に負担した住宅費と、 住宅費を除いた課税所得の15%のいずれか低い金額 が基準になります。

そのため、同額をすべて現金給与として支給する場合と比べて、 会社が住宅を契約して提供した方が、 従業員の課税所得を抑えられるケースがあります。

会社契約なら住宅費が全額非課税になるわけではありません

会社が住宅を契約しても、 一定額は従業員の課税所得へ算入されます。 また、契約名義、請求書、支払方法、 雇用契約や社内規程の内容によって 税務上の取り扱いが変わる可能性があります。

企業側にもメリットが生じる場合がある

住宅を会社契約にすることは、 従業員だけでなく企業側にもメリットが生じる場合があります。

  • 日本人従業員の生活環境を管理しやすい
  • 工場や事務所への通勤時間を考慮して物件を選べる
  • 赴任・入社時の住宅探しを円滑に進められる
  • 給与と福利厚生を組み合わせた採用条件を設計できる
  • 一定の書類要件を満たせば会社費用として処理できる場合がある

特に海外から日本人を採用する場合、 給与だけを引き上げるより、 住宅を会社側で用意した方が、 採用候補者にとって分かりやすい待遇になることがあります。

現地採用でも住宅条件は交渉できる場合がある

求人票に住宅手当の記載がなくても、 採用企業が給与と住宅を含めた 総額予算を設定している場合があります。

希望給与だけを伝えるのではなく、 「住宅を会社契約にできるか」 「住宅手当として分けられるか」 「試用期間終了後から適用できるか」などを 確認する方法もあります。

ただし、交渉できるかどうかは、 役職、経験、企業の社内規程などによって異なります。

一時帰国費用は現地採用でも税務上の優遇を受けられる場合がある

ベトナムで長期間働く日本人にとって、 一時帰国航空券は重要な福利厚生です。

駐在員では、年1回または年2回など、 海外赴任規程に基づいて会社が航空券を負担する場合があります。

現地採用でも、年1回の帰国航空券、 または一定額の航空券手当を支給する求人があります。

年1回の往復航空券が非課税となる場合がある

ベトナムの個人所得税上、 外国人従業員が年1回帰国するために 雇用主が負担する往復航空券は、 一定の条件を満たす場合、 従業員の課税所得に含めない取り扱いがあります。

判断の基礎となるのは、 労働契約などに定められた内容と、 ベトナムから外国への往復航空券の実際の金額です。

そのため、会社が一時帰国航空券を福利厚生として設定する場合は、 雇用契約書、会社規程、航空券の請求書、 搭乗記録などを適切に保管することが重要です。

この税務上の取り扱いは、 駐在員だけに限定された制度ではありません。 ベトナムで働く外国人従業員であり、 労働契約などに帰国航空券の会社負担が定められていれば、 現地採用者も対象となる可能性があります。

一時帰国航空券で確認する項目

確認項目 確認内容 注意点
年間回数 年1回、年2回、任期中1回など 税務上の非課税扱いは年1回が基本
対象者 本人のみ、配偶者、子どもを含むか 家族分の取り扱いは別途確認が必要
対象区間 ベトナムから日本のどの空港までか 国内移動費を含むか確認
金額上限 実費、上限額、会社指定便など 繁忙期の差額を誰が負担するか
予約方法 会社予約、本人立替、定額支給 定額の現金支給は税務上の扱いを要確認
支給時期 入社直後、勤続1年後、毎年の基準日 試用期間中に利用できるか
退職時 帰国航空券を会社が負担するか 一時帰国航空券とは別制度の場合がある

現金の航空券手当より会社精算が適している場合がある

毎月一定額を航空券手当として現金支給すると、 通常の給与手当として扱われる可能性があります。

一方、雇用契約や会社規程に年1回の帰国航空券を定め、 実際の航空券を会社が購入する、 または証憑に基づいて精算する方法であれば、 税務上の非課税条件を整理しやすくなります。

航空券を支給すれば必ず非課税になるわけではありません

年間回数、対象区間、支給方法、 雇用契約への記載、証憑の保存状況などによって、 課税関係が変わる可能性があります。 実際に制度を導入する企業は、 会計事務所や税務専門家へ確認することをおすすめします。

現地採用の内定時に航空券を確認する理由

日本とベトナムを定期的に往復する場合、 航空券は年間の生活費に影響します。

特に家族が日本に住んでいる単身赴任者や、 両親の介護、子どもの行事などで帰国する必要がある人にとって、 一時帰国制度は重要な条件です。

現地採用のオファーを受けたときは、 月給だけでなく、少なくとも次の内容を確認しましょう。

  • 年1回の帰国航空券があるか
  • 航空券の上限金額はいくらか
  • 本人が購入して後日精算できるか
  • 日本国内の乗り継ぎ費用を含むか
  • 未使用の場合に現金へ換えられるか
  • 退職・本帰国時の航空券は別途支給されるか

現地採用の社会保険・退職金・年金はどうなる?

現地採用と駐在員を比較するとき、 給与や住宅とともに確認しておきたいのが、 社会保険、退職手当、退職後に受け取れる給付です。

特に現地採用については、 「ベトナムの社会保険料を払っても受け取れない」 「外国人には退職金がない」 「ベトナムには年金制度がない」 と誤解されることがあります。

実際には、対象条件を満たす外国人労働者は ベトナムの強制社会保険へ加入し、 契約終了や帰国時などに一定の条件を満たせば、 社会保険一時金を申請できる制度があります。

また、社会保険一時金とは別に、 ベトナム労働法上の退職手当を 受け取れる場合もあります。

社会保険一時金と退職手当は別の制度です。 社会保険一時金は加入していた社会保険制度から受け取る給付で、 退職手当は一定の条件を満たした場合に雇用主から支払われます。

外国人もベトナムの強制社会保険へ加入する場合がある

ベトナムで働く外国人は、 労働許可証などを保有し、 ベトナムの雇用主と一定の労働契約を締結するなど、 法令上の条件を満たす場合、 強制社会保険の対象になります。

一方、企業内異動としてベトナムへ派遣される外国人や、 法令上の加入除外条件に該当する人などは、 強制社会保険の対象外となる場合があります。

そのため、駐在員か現地採用かという呼び方だけでは、 加入義務の有無を判断できません。

次の内容をもとに個別に確認する必要があります。

  • ベトナムで締結する労働契約の期間
  • 雇用主が日本法人かベトナム法人か
  • 企業内異動に該当するか
  • 労働許可証などの保有状況
  • 年齢や法令上の加入除外条件
  • 日本側の社会保険を継続するか

ベトナムの社会保険には複数の給付制度がある

ベトナムの強制社会保険は、 将来の老齢給付だけを目的とした制度ではありません。

対象条件や加入状況に応じて、 病気、出産、労働災害、職業病、 老齢、遺族などに関する給付制度があります。

制度・給付 概要 日本人が確認したい点
疾病給付 病気などで一定期間休業した場合の給付 民間医療保険の治療費補償とは別制度
出産・育児関連給付 法定条件を満たした場合の出産関連給付 加入期間などの条件を確認
労働災害・職業病 業務中の事故や職業病に関する給付 会社の傷害保険とは別に確認
老齢給付 年齢と加入期間などの条件を満たす場合の年金 短期勤務では受給条件を満たさないことが多い
遺族給付 加入者が死亡した場合の遺族関連給付 対象となる遺族と受給条件を確認
社会保険一時金 法定条件を満たした場合に一括で受け取る給付 契約終了や帰国時の手続きが重要

現地採用者は社会保険一時金を受け取れる場合がある

ベトナムの社会保険へ加入していた外国人労働者は、 労働契約の終了、労働許可証の失効、 ベトナムを離れて国外で生活することなど、 法令上の条件を満たす場合、 社会保険一時金を申請できることがあります。

つまり、現地採用として勤務して社会保険料を納付していても、 必ず掛け捨てになるわけではありません。

ただし、勤務を終了しただけで 自動的に銀行口座へ振り込まれるものではなく、 必要書類をそろえて申請する必要があります。

手続き前に確認すること

  • 社会保険への加入期間
  • 会社による社会保険料の納付状況
  • 社会保険番号と加入記録
  • 労働契約の終了日
  • 労働許可証の失効・返却・未更新の状況
  • パスポートや出国に関する書類
  • 受取口座と委任手続きの可否

退職前に社会保険の加入記録を確認しましょう

帰国後に加入記録の不一致や未納が判明すると、 会社との確認や書類の追加取得に時間がかかることがあります。 退職日が決まった段階で、人事担当者へ 社会保険の納付状況と一時金申請に必要な書類を確認しましょう。

社会保険一時金の具体的な条件、参考額、 退職・帰国時の手続きについては、 別記事 「ベトナム転職で退職・帰国するときに必要な手続き」 でも詳しく解説しています。

ベトナムに年金制度がないわけではない

ベトナムの強制社会保険には、 老齢年金に相当する制度があります。

そのため、厳密には 「現地採用には年金がない」 「ベトナムには公的年金がない」 という説明は正確ではありません。

ただし、日本人の現地採用者は、 数年程度で転職または帰国することも多く、 毎月の年金を受け取るために必要な 年齢や加入期間の条件を満たさない場合があります。

そのため、実務上は年金として受け取るより、 帰国時などに社会保険一時金を申請するケースが 多いと考えられます。

長期間加入する場合

老齢年金として受給

法定の受給年齢と最低加入期間などの条件を満たせば、 月ごとの老齢年金を受け取れる可能性があります。

長期間ベトナムで勤務する人は、 一時金だけでなく将来の年金受給条件も確認する必要があります。

帰国・契約終了時

社会保険一時金を申請

法定条件を満たす外国人は、 加入期間に応じた一時金を申請できる場合があります。

短期間のベトナム勤務では、 こちらを選択するケースが現実的です。

日本の厚生年金を継続できるかは雇用形態による

駐在員の場合は、日本本社との雇用関係が継続し、 日本側の厚生年金へ引き続き加入するケースがあります。

一方、現地採用として日本の会社を退職し、 ベトナム法人とのみ労働契約を結ぶ場合は、 通常、日本の厚生年金へ会社員として 継続加入する形にはなりません。

日本の年金については、 日本国内の住所、雇用関係、 国民年金への任意加入条件などによって異なります。

海外勤務が長期になる場合は、 ベトナム側の社会保険だけでなく、 日本側の年金記録や任意加入の必要性も確認しましょう。

現地採用でも退職手当を受け取れる場合がある

ベトナムの労働法では、 外国人であることを理由に 退職手当の権利が一律に否定されるわけではありません。

同じ雇用主のもとで一定期間継続して勤務し、 法律で定められた契約終了事由に該当する場合は、 現地採用の外国人も退職手当の対象となる可能性があります。

原則的な基準は、 退職手当の算定対象となる勤続1年につき、 半月分の賃金です。

算定に使用される賃金は、 原則として労働契約終了前の 連続する6か月間の平均賃金を基礎とします。

退職手当の算定対象期間は、 単純な在籍期間と同じではありません。 失業保険へ加入していた期間や、 すでに退職手当を受け取った期間などが 控除されることがあります。

退職手当が発生しない場合もある

退職手当は、すべての退職者に 必ず支払われる制度ではありません。

次のような要素によって、 対象外となる場合や算定額がゼロとなる場合があります。

  • 継続勤務期間が法定条件を満たしていない
  • 契約終了理由が支給対象に該当しない
  • 算定対象期間の大部分が除外期間となる
  • 適法な事前通知を行わず一方的に退職した
  • 重大な懲戒解雇などに該当する
  • すでに対象期間分の退職手当が精算されている
項目 社会保険一時金 退職手当
支払元 ベトナムの社会保険制度 雇用主
主な根拠 社会保険法および関連法令 労働法および関連法令
対象 社会保険へ加入し、 一時金の受給条件を満たす人 勤続期間と契約終了理由などの 条件を満たす従業員
自動支給 原則として申請が必要 会社が退職時に条件を確認して精算
算定方法 加入期間と法令上の計算方法による 算定対象1年につき半月分の賃金が原則
同時受給 それぞれ別制度のため、 両方の条件を満たせば双方が発生する可能性がある

退職時は「会社から受け取るお金」と 「社会保険から受け取るお金」を分けて確認

現地採用者が退職・帰国するときは、 最終給与、未消化有給休暇、 賞与、退職手当、社会保険一時金などを 別々に確認する必要があります。

会社の人事担当者だけでなく、 必要に応じて社会保険機関、 会計事務所、労務専門家などへ確認しましょう。

現地採用と駐在員では仕事内容と責任範囲も異なる

現地採用と駐在員の違いは、 待遇だけではありません。

会社から期待される役割、 本社との関係、現地スタッフとの距離、 意思決定の範囲などにも違いがあります。

駐在員は日本本社とベトナム法人の橋渡し役になりやすい

駐在員は日本本社から派遣されるため、 現地法人の業務だけでなく、 日本本社への報告、方針の伝達、 予算管理、監査対応などを担当することがあります。

特に製造業では、 日本本社の品質基準や生産方式を ベトナム工場へ導入する役割が求められます。

  • 日本本社への業績報告
  • 現地法人の経営・予算管理
  • 日本本社の方針や制度の導入
  • ベトナム人管理職の育成
  • 日本人顧客やグループ企業との調整
  • 品質・生産・コンプライアンス管理
  • 新工場や新規事業の立ち上げ

現地採用は実務に近いポジションから管理職まで幅広い

現地採用の求人は、 営業担当者、技術者、管理部門担当者から、 工場長、部門長、現地法人責任者まで幅広くあります。

日本人顧客との窓口を担当しながら、 ベトナム人スタッフと日常的に協働するポジションも多く、 現地の業務へ深く関わりやすい点が特徴です。

  • 日系企業向け法人営業
  • 生産管理・品質管理
  • 生産技術・設備保全
  • 購買・調達・物流管理
  • ITエンジニア・ITコミュニケーター
  • 経理・財務・人事・総務
  • 工場長・部門責任者
  • 現地法人の経営管理

駐在員だから管理職、現地採用だから担当者とは限らない

以前は、駐在員が現地法人の管理職を務め、 現地採用者がその補助をするという企業も多く見られました。

しかし現在は、ベトナムでの勤務経験が長く、 現地スタッフの管理や顧客対応に強い現地採用者が、 部門長、工場長、General Directorなどへ 昇進するケースもあります。

反対に、若手駐在員が将来の幹部候補として派遣され、 現地採用の経験者から実務を学ぶケースもあります。

肩書きだけで仕事の重要度を判断するのではなく、 決裁権、部下の人数、予算責任、 売上目標、レポートラインまで確認することが大切です。

現地採用は職務内容が広がりやすい

ベトナムの現地法人は、 日本本社よりも組織規模が小さいことがあります。

そのため、営業として採用されても、 採用、教育、マーケティング、 新サービスの企画などを担当することがあります。

幅広い経験を積めることはメリットですが、 職務範囲が曖昧なまま入社すると、 想定以上の業務を任される可能性もあります。

面接や内定時には、次の内容を確認しましょう。

  • 入社直後の主な業務
  • 半年後・1年後に期待される役割
  • 直属の上司と評価者
  • 管理するスタッフの人数
  • 売上・利益・予算に関する責任
  • 日本本社への報告業務の有無
  • 出張や休日対応の頻度

現地採用と駐在員のメリット・デメリット

どちらの働き方が優れているかは、 給与だけでは決まりません。

海外で働く目的、家族構成、 今後のキャリア、安定性、 仕事を選ぶ自由度などによって、 適した雇用形態は変わります。

駐在員として働くメリット

待遇・安定性

駐在員の主なメリット

  • 日本基準の給与を維持しやすい
  • 海外勤務手当が付く場合がある
  • 会社契約の住宅が用意されやすい
  • 海外医療保険が充実しやすい
  • 一時帰国航空券が支給されやすい
  • 家族の保険や教育費補助がある場合がある
  • 任期終了後に日本本社へ戻れる
  • 日本本社での昇進につながる場合がある
会社による保護

海外赴任を始めやすい

住宅、ビザ、労働許可、引っ越し、 医療保険などを会社が手配するため、 初めての海外勤務でも生活を始めやすい傾向があります。

家族帯同の場合も、 会社が学校や住居の情報を提供してくれることがあります。

駐在員として働くデメリット

  • ベトナム赴任を自分で選べるとは限らない
  • 赴任時期や帰任時期を会社が決定する
  • 別の国へ異動となる可能性がある
  • 希望する仕事を選びにくい場合がある
  • 現地で転職する場合は日本本社の退職を伴いやすい
  • 現地法人と日本本社の双方から期待され負担が増える
  • 帰任後のポジションが希望と合わない場合がある

現地採用として働くメリット

選択の自由

現地採用の主なメリット

  • ベトナムで働くことを自分で選べる
  • 希望する都市や勤務地を選びやすい
  • 経験を活かせる職種へ直接応募できる
  • ベトナム国内で転職しやすい
  • 現地スタッフと近い立場で働ける
  • 東南アジアでの専門性を築きやすい
  • 実績次第で管理職を目指せる
長期キャリア

ベトナムに残り続けやすい

駐在員のような帰任命令がないため、 雇用契約が継続する限り、 ベトナムで長く働くことができます。

転職によって職種や役職を変えながら、 ベトナムでキャリアを構築することも可能です。

現地採用として働くデメリット

  • 駐在員より給与が低くなることが多い
  • 住宅費が自己負担となる求人がある
  • 家族の教育費補助がない場合が多い
  • 一時帰国費用の有無が会社によって異なる
  • 日本本社へ帰任する制度がない
  • 転職・退職後の生活を自分で設計する必要がある
  • 会社によって福利厚生の差が大きい
  • 日本帰国後の再就職を自分で進める必要がある
重視すること 駐在員が有利になりやすい点 現地採用が有利になりやすい点
給与・待遇 日本給与、海外手当、住宅、保険 専門職や管理職では条件交渉が可能
勤務地 会社の事業拠点で経験を積める 求人を比較して自分で選びやすい
安定性 日本本社へ帰任できる場合が多い 会社都合の帰任命令を受けにくい
転職 日本本社内での異動が中心 ベトナム国内の別企業へ移りやすい
家族帯同 住宅、保険、教育費の補助が期待できる 居住地や学校を自由に選びやすい
キャリア 日本本社での昇進につながる可能性 海外現地法人での管理経験を蓄積
自由度 会社の支援を受けながら海外勤務 仕事・会社・地域を自分で選択

「駐在員か現地採用か」だけで判断しない

駐在員でも会社によって待遇や裁量は異なり、 現地採用でも管理職として高待遇を得られる場合があります。

雇用形態の名称だけでなく、 給与、住宅、保険、航空券、職務内容、 決裁権、将来の昇進、退職後の選択肢まで比較しましょう。

現地採用と駐在員のキャリア・将来性を比較

ベトナムで働く方法を選ぶときは、 現在の給与や福利厚生だけでなく、 5年後、10年後にどのようなキャリアを築きたいかを 考えることが重要です。

駐在員は、日本本社でのキャリアを継続しながら 海外経験を積める点が大きな特徴です。

一方、現地採用は、 ベトナムや東南アジアでの実務経験を積み、 転職や昇進によって自分でキャリアを広げやすい働き方です。

駐在員は日本本社での昇進につながる可能性がある

駐在員として海外法人の運営、 現地スタッフの管理、新工場の立ち上げ、 海外営業などを経験すると、 日本本社へ帰任した後の評価につながる場合があります。

特に、将来的に海外事業部門、 経営企画、事業責任者などを目指す人にとって、 海外駐在経験は大きな実績になります。

  • 日本本社での昇進候補になりやすい
  • 海外事業やグローバル部門へ異動しやすい
  • 現地法人の経営経験を積める
  • 日本本社との人脈を維持しやすい
  • 帰任後も雇用が継続する安心感がある

帰任後のポジションが希望と合わないこともある

駐在員には日本本社へ戻れる安心感がある一方で、 帰任後の仕事内容や役職を 自分で選べるとは限りません。

ベトナムでは現地法人の責任者だった人が、 帰任後に管理職ではないポジションへ異動することもあります。

海外では大きな裁量を持っていたにもかかわらず、 帰任後に担当範囲が狭くなり、 キャリアの方向性に迷うケースもあります。

駐在前に帰任後のキャリアを確認する

駐在員として赴任する場合は、 赴任期間だけでなく、 帰任後に想定される部署や役割、 海外経験が社内評価へどのように反映されるかも 確認しておくとよいでしょう。

現地採用は東南アジアでの市場価値を高めやすい

現地採用では、 ベトナム人スタッフの管理、 日系企業や外資系企業との取引、 現地法人の立ち上げ、 工場運営などの経験を積めます。

これらの経験は、 ベトナム国内だけでなく、 タイ、インドネシア、マレーシア、 フィリピン、カンボジアなど、 他の東南アジア地域での転職にも活かせる場合があります。

  • 多国籍な組織でのマネジメント経験
  • 海外での法人営業経験
  • 工場や生産拠点の管理経験
  • 現地採用・教育・評価制度の運用経験
  • 海外での新規事業立ち上げ経験
  • 英語やベトナム語を使った業務経験

現地採用でも経営層を目指せる

現地採用は、 必ずしも担当者として働き続ける雇用形態ではありません。

実績を積むことで、 営業マネージャー、工場長、 管理部長、事業責任者、 General Directorなどへ昇進する可能性があります。

特に、ベトナムで長期間働き、 現地スタッフとの信頼関係、 顧客ネットワーク、 法令や商習慣への理解を持つ人は、 企業にとって重要な人材になりやすい傾向があります。

現地採用のキャリア例
営業・技術担当
↓
チームリーダー
↓
部門マネージャー
→
その後の選択肢
工場長・事業責任者
↓
現地法人経営
↓
他国・日本への転職

日本へ帰国するときは経験を言語化することが重要

現地採用として働いた後、 日本へ帰国して転職することも可能です。

ただし、単に 「ベトナムで働いていました」 と説明するだけでは、 海外経験の価値が十分に伝わらない場合があります。

帰国後の転職では、 次のような内容を具体的に説明できるようにしましょう。

  • 担当した売上や予算規模
  • 管理したスタッフの人数
  • 改善した生産性や不良率
  • 新規開拓した顧客数
  • 立ち上げた事業や拠点
  • 英語・ベトナム語を使った業務内容
  • 異文化環境で解決した課題

将来性は雇用形態ではなく「経験の質」で決まる

駐在員だから将来が安定し、 現地採用だから不安定になるとは限りません。

海外勤務を通じて、 どのような成果を上げ、 どのような専門性を身につけたかが重要です。

雇用形態の名称だけでなく、 入社後に経験できる仕事、 裁量、管理範囲、昇進機会まで確認しましょう。

現地採用と駐在員はどちらが向いている?

現地採用と駐在員のどちらが向いているかは、 給与だけでは判断できません。

海外で働く目的、 家族構成、安定性への考え方、 仕事を選ぶ自由度などをもとに判断しましょう。

駐在員に向いている人

安定性を重視

日本企業で長く働きたい人

  • 現在の会社で昇進したい
  • 日本本社へ戻る選択肢を残したい
  • 給与や福利厚生を重視したい
  • 会社の支援を受けて海外勤務を始めたい
  • 海外経験を社内キャリアへ活かしたい
家族帯同を重視

住宅・教育・保険の補助が必要な人

  • 配偶者や子どもと赴任したい
  • 教育費の負担を抑えたい
  • 海外医療保険を重視したい
  • 会社契約の住宅を希望する
  • 帰任後の雇用を確保したい

現地採用に向いている人

自分で選びたい

ベトナムで働くことを優先したい人

  • 会社の人事異動を待ちたくない
  • 今すぐベトナム転職へ挑戦したい
  • 勤務地や会社を自分で選びたい
  • 経験を活かせる仕事へ直接応募したい
  • ベトナムで長期的に暮らしたい
挑戦・成長を重視

海外でキャリアを築きたい人

  • 現地スタッフの管理を経験したい
  • 仕事の裁量を広げたい
  • 東南アジアで市場価値を高めたい
  • 転職によって役職や給与を上げたい
  • 将来は海外法人経営を目指したい

判断に迷ったときの比較表

希望・条件 駐在員向き 現地採用向き
ベトナム勤務の時期 会社の異動を待てる 自分のタイミングで転職したい
勤務地 会社指定でも問題ない ハノイやホーチミンなどを選びたい
給与・待遇 日本基準の待遇を重視 給与より海外経験や仕事内容を重視
家族帯同 教育費や保険の支援が必要 自己負担を含めて自分で設計できる
帰任 数年後に日本へ戻りたい ベトナムに長く残りたい
転職 現在の会社で長く働きたい 海外で転職しながら成長したい
キャリア 日本本社での昇進を重視 海外現地法人での専門性を重視
生活の自由度 会社の支援と規程を重視 住居や働き方を自分で選びたい

現在日本企業で働いていても、 ベトナム駐在の可能性がほとんどない場合は、 現地採用へ転職する方が 早く希望を実現できることがあります。

ベトナム現地採用へ転職するまでの流れ

現地採用として働く場合は、 日本から求人へ応募する方法と、 ベトナム滞在中に転職活動を行う方法があります。

基本的な流れは次のとおりです。

求人を探す
希望職種・勤務地・給与を整理
→
応募・面接
履歴書提出・オンライン面接
内定・条件確認
給与・住宅・保険・航空券を確認
→
渡航・入社
VISA・労働許可・住居を準備

最初に希望条件を整理する

求人を探す前に、 自分が何を優先するかを整理しましょう。

  • 希望する都市・勤務地
  • 希望する職種
  • 最低希望給与
  • 住宅手当の必要性
  • 一時帰国航空券の必要性
  • 家族帯同の予定
  • 入社可能時期
  • 英語・ベトナム語の使用希望

履歴書では成果を数字で示す

ベトナムの日本人採用では、 年齢や会社名だけでなく、 入社後に何ができるかが重視されます。

職務経歴書には、 担当業務だけでなく、 売上、改善率、管理人数、 コスト削減額などを数字で記載しましょう。

面接では「なぜベトナムなのか」を説明する

面接では、 志望動機とともに 「なぜベトナムで働きたいのか」 を聞かれることがあります。

単に海外で働きたいという理由だけでなく、 自分の経験をどのように活かし、 企業へ貢献できるかを説明することが重要です。

面接対策については、 「ベトナム転職の面接対策」 もご確認ください。

内定後は給与以外の条件も確認する

内定を受けたら、 月給だけを見て承諾せず、 オファーレターと雇用契約書を確認しましょう。

  • Gross給与かNet給与か
  • 試用期間中の給与
  • 賞与・13か月給与
  • 住宅費の負担方法
  • 一時帰国航空券
  • 民間医療保険
  • 通勤手段
  • 労働許可・VISA・TRCの費用負担
  • 退職時の通知期間

内定後の確認事項は、 「ベトナム転職で内定後に確認すべきこと」 でも詳しく解説しています。

ベトナム現地採用と駐在員に関するよくある質問

現地採用と駐在員ではどちらの給与が高いですか?

一般的には、日本給与、海外勤務手当、 住宅、保険などを含めると、 駐在員の方が総合待遇は高くなりやすい傾向があります。

ただし、工場長、技術責任者、 現地法人責任者などの求人では、 現地採用でも高い条件が提示される場合があります。

現地採用でも住宅手当はありますか?

会社によって異なります。 住宅手当を現金で支給する会社、 会社名義で住宅を借りる会社、 住宅費を本人負担とする会社があります。

会社契約の住宅は、 現金給与として全額支給する場合と比べて、 税務上有利になるケースがあります。

現地採用でも一時帰国航空券を受け取れますか?

年1回の一時帰国航空券を 福利厚生として支給する企業があります。

外国人従業員の帰国航空券は、 契約への記載や支給方法などの条件を満たす場合、 個人所得税上の課税所得へ含めない 取り扱いを受けられることがあります。

現地採用でも退職金はもらえますか?

ベトナム労働法上の条件を満たす場合、 外国人の現地採用者も 退職手当の対象となる可能性があります。

ただし、契約終了理由、 勤続期間、算定対象期間などによって異なり、 すべての退職者が必ず受け取れるわけではありません。

ベトナム社会保険は帰国時に受け取れますか?

ベトナムの社会保険へ加入していた外国人は、 契約終了、帰国、労働許可証の失効など、 一定の条件を満たす場合、 社会保険一時金を申請できることがあります。

自動的には支給されないため、 退職前に加入記録と必要書類を確認しましょう。

ベトナムの現地採用に年金はありますか?

ベトナムの社会保険には 老齢年金に相当する制度があります。

ただし、短期間勤務する日本人は 年金の受給条件を満たしにくく、 帰国時に社会保険一時金を申請するケースがあります。

英語ができなくても現地採用へ転職できますか?

日本人顧客対応や日系工場の技術職などでは、 高い英語力を求めない求人もあります。

ただし、社内のベトナム人スタッフとのやり取りでは、 英語またはベトナム語が必要になる場合があります。 語学力だけでなく、専門経験や管理能力も評価されます。

40代・50代でもベトナムへ転職できますか?

製造、品質、生産管理、工場運営、 営業管理などでは、 経験豊富な人材を求める求人があります。

年齢だけでなく、 現場で活かせる専門性、 管理経験、顧客ネットワークなどが重要です。

駐在員から現地採用へ転職できますか?

可能です。 ただし、日本本社の退職、 競業避止義務、労働許可証、 VISA、TRCの切り替えなどを 確認する必要があります。

現在の勤務先との関係に配慮しながら、 転職時期と手続きを慎重に進めましょう。

現地採用と駐在員のどちらがおすすめですか?

安定性、給与、家族帯同支援、 日本本社でのキャリアを重視する人には 駐在員が向いています。

ベトナムで働くことを自分で選び、 勤務地や職種の自由度、 海外での長期キャリアを重視する人には 現地採用が向いています。