ハイフォン市とは?ベトナム最大級の港湾・工業都市を徹底解説|工業団地・日系企業・生活環境

2025年7月に実施されたベトナムの行政区画再編により、旧ハイフォン市と旧ハイズオン省が統合され、新たなハイフォン市が誕生しました。従来からベトナム北部最大級の港湾都市として知られていたハイフォンは、今回の再編によって工業都市としての規模もさらに拡大し、人口約400万人を抱えるベトナム有数の経済拠点となっています。
特に、日本企業をはじめとする外資系企業の進出が活発で、電子機器、自動車部品、機械、物流、港湾関連産業など幅広い分野で投資が続いています。近年ではLGグループを中心とした電子産業の集積や、Lạch Huyện(ラックフエン)港を中心とした国際物流拠点としても存在感を高めています。
本記事では、2025年行政区画再編による変更点をはじめ、ハイフォン市の基本情報、主要工業団地、進出する日系企業、日本人の生活環境、将来性まで詳しく解説します。
📖 目次
ハイフォン市とは
ハイフォン市は、ベトナム北部を代表する港湾都市であり、首都ハノイに次ぐ重要な経済拠点の一つです。
古くから国際貿易港として発展してきた歴史を持ち、現在では港湾物流だけでなく、製造業やハイテク産業の集積地としても高い評価を受けています。
2025年7月には、ベトナム政府が進めた行政区画再編により、旧ハイフォン市と旧ハイズオン省が統合されました。
これにより行政区域や人口、工業団地の数が大幅に拡大し、ベトナム北部でも最大級の工業・物流都市へと成長しています。
現在のハイフォン市には、ベトナム北部最大級の国際港であるLạch Huyện港をはじめ、多数の工業団地や高速道路が整備されており、日本企業を含む多くの外資系企業が生産拠点を構えています。
2025年行政区画再編で何が変わった?
2025年7月、ベトナム政府は全国規模で行政区画の見直しを実施しました。その中でも特に注目されたのが、旧ハイフォン市と旧ハイズオン省の統合です。
これまで港湾都市として発展してきたハイフォン市と、製造業が盛んなハイズオン省が一つの行政区域となったことで、港湾・物流・製造業を一体的に発展させる体制が整いました。
統合後のハイフォン市は、港湾機能だけでなく、広大な工業団地や豊富な労働力を有するベトナム北部最大級の産業都市として、今後さらに国内外からの投資が期待されています。
ポイント
行政区画再編によって名称が変わっただけではなく、港湾、工業団地、高速道路、空港へのアクセスを含めた経済圏全体が一体化したことが最大の特徴です。
ハイフォン市の基本情報
| 都市名 | ハイフォン市(Hải Phòng) |
|---|---|
| 行政再編 | 2025年7月に旧ハイフォン市と旧ハイズオン省が統合 |
| 位置 | ベトナム北部・紅河デルタ地域 |
| 人口 | 約400万人 |
| 主な産業 | 港湾物流、製造業、電子機器、自動車部品、機械、造船 |
| 主要港 | Lạch Huyện港、Đình Vũ港 |
| 空港 | カットビ国際空港 |
| ハノイから | 高速道路利用で約1.5〜2時間 |
港湾都市として発展してきたハイフォン市は、行政区画再編後、工業団地や製造拠点も大幅に増加しました。
現在では、港湾・物流・製造業が一体となったベトナム北部を代表する経済都市として、多くの日系企業や外資系企業から注目されています。
ハイフォン市が注目される理由
ハイフォン市は、ベトナム北部における港湾・物流・製造業の中心都市として発展を続けています。
2025年の行政区画再編により旧ハイズオン省と統合されたことで、港湾機能だけでなく工業団地や人口規模も大幅に拡大し、ベトナムを代表する経済都市の一つとなりました。
近年は韓国や日本、台湾、中国、欧米企業による大型投資も相次いでおり、電子機器、自動車部品、物流、機械、化学、造船など幅広い産業が集積しています。
また、首都ハノイから高速道路で約1時間半というアクセスの良さに加え、中国国境やクアンニン省へのアクセスにも優れていることから、北部ベトナム全体の物流拠点として重要な役割を担っています。
- ベトナム北部最大級の港湾都市
国際コンテナ港を有し、輸出入の玄関口として多くの企業が利用しています。 - 工業団地が多数集積
行政区画再編後は旧ハイズオン省の工業団地も加わり、製造拠点としてさらに存在感が高まりました。 - 日系企業が非常に多い
電子機器、自動車部品、物流、機械メーカーなど、多くの日系企業が進出しています。 - 物流インフラが充実
港、高速道路、空港を組み合わせた効率的な物流ネットワークが構築されています。
ハイフォン港とは
ハイフォン港は、ベトナム北部最大級の国際港であり、ベトナム全体でも重要な港湾の一つです。
日本や韓国、中国、欧米向けの輸出入貨物が数多く取り扱われており、多くの日系企業にとって欠かせない物流拠点となっています。
従来の港湾施設に加え、近年は深水港であるLạch Huyện(ラックフエン)港の整備が進められています。
大型コンテナ船が直接入港できることから、日本や欧米向けの海上輸送効率が大幅に向上し、ベトナム北部最大級の国際物流拠点として存在感を高めています。
また、Đình Vũ港をはじめとする港湾施設も引き続き重要な役割を担っており、工業団地との距離が近いことから、輸出型製造業にとって非常に利便性の高い環境が整っています。
| 主な港湾 | Lạch Huyện港(ラックフエン港) |
|---|---|
| 特徴 | 大型コンテナ船が接岸可能な深水港 |
| 利用企業 | 電子機器、自動車部品、物流、機械メーカーなど |
| 役割 | 北部ベトナム最大級の国際物流拠点 |
企業担当者向けポイント
港から工業団地までの距離が短いため、輸送コストやリードタイムを抑えやすいことがハイフォン市最大の強みです。輸出比率が高い製造業にとって、大きなメリットがあります。
ハノイからのアクセス
ハイフォン市は首都ハノイから約120kmの距離に位置しており、高速道路の整備によって以前よりも大幅にアクセスが向上しました。
現在ではハノイ中心部から高速道路を利用すると約1時間30分〜2時間程度で移動できるため、日帰り出張も十分可能です。
| ハノイ中心部 | 約1時間30分〜2時間 |
|---|---|
| ノイバイ国際空港 | 約2時間 |
| カットビ国際空港 | 市内から約15分 |
| クアンニン省 | 約1時間 |
さらに、港湾、高速道路、空港が一体となった交通インフラが整備されているため、物流面だけでなく、企業の営業活動や工場運営においても高い利便性を誇ります。
ハイフォン市の主要工業団地一覧
ここまで、2025年行政区画再編や港湾都市としての特徴について紹介しました。 企業担当者や投資担当者にとって、次に気になるのは「どの工業団地へ進出するべきか」「自社に適した立地はどこなのか」という点ではないでしょうか。
現在のハイフォン市には、旧ハイフォン市と旧ハイズオン省を合わせると20か所以上の工業団地があります。
その中でも、日本企業や外資系企業の進出が多く、特に注目されている主要工業団地を一覧で紹介します。
| 工業団地 | 旧行政区 | 主な産業 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| DEEP C Industrial Zones | 旧ハイフォン市 | 物流・重工業・電子・港湾 | 港湾直結の大型工業団地 |
| VSIP Hải Phòng | 旧ハイフォン市 | 電子・機械・食品・物流 | 外資系企業が多くインフラが充実 |
| Japan – Hải Phòng Industrial Park | 旧ハイフォン市 | 電子・精密部品・機械 | 日本企業が多数進出 |
| Tràng Duệ Industrial Park | 旧ハイフォン市 | 電子・ICT・精密部品 | LGグループ関連企業が集積 |
| Nam Đình Vũ | 旧ハイフォン市 | 物流・石油化学・製造業 | 港湾と一体開発 |
| An Dương Industrial Park | 旧ハイフォン市 | 製造業全般 | ハイフォン中心部に近い |
| Nam Cầu Kiền | 旧ハイフォン市 | 機械・環境関連・物流 | エコ工業団地として注目 |
| Phúc Điền Industrial Park | 旧ハイズオン省 | 電子・機械・食品 | 高速道路へのアクセスが良好 |
| Đại An Industrial Park | 旧ハイズオン省 | 電子・機械・化学 | 外資系企業が多数進出 |
| Tân Trường Industrial Park | 旧ハイズオン省 | 製造業全般 | 労働力が豊富 |
行政区画再編後のハイフォン市では、大きく分けて港湾物流を活かした旧ハイフォンエリアと、製造業が集積する旧ハイズオンエリアという2つの特徴があります。
- 旧ハイフォン市エリア
港湾に近い立地を活かし、電子機器、物流、自動車部品、重工業など輸出型産業が集中しています。 - 旧ハイズオン省エリア
比較的広い工業用地が確保されており、製造業や機械加工、食品関連企業など幅広い業種が進出しています。
それでは、ハイフォン市を代表する主要工業団地について詳しく見ていきましょう。
DEEP C Industrial Zones(ディープシー工業団地)
DEEP C Industrial Zonesは、ハイフォン市を代表する工業団地の一つであり、港湾と一体的に開発されたベトナム北部最大級の産業エリアです。
Lạch Huyện港やĐình Vũ港に近接しているため、輸出入を行う企業にとって非常に利便性が高く、物流コストの削減につながります。
電子機器、自動車部品、物流、重工業、エネルギー関連など、多くの外資系企業が進出しており、日本企業からも高い評価を受けています。
| 所在地 | 旧ハイフォン市 |
|---|---|
| 主な産業 | 物流・電子・重工業・港湾関連 |
| 特徴 | 港湾直結型工業団地 |
| アクセス | Lạch Huyện港まで約10〜20分 |
企業担当者向けポイント
輸出比率が高い企業や物流コストを重視する企業にとって、ハイフォン市内でも特に有力な候補となる工業団地です。
VSIP Hải Phòng(VSIPハイフォン工業団地)
VSIP Hải Phòng(Vietnam Singapore Industrial Park Hải Phòng)は、ベトナムとシンガポールの共同開発による工業団地であり、ベトナム国内でも高い知名度を誇るVSIPシリーズの一つです。
ハイフォン市北部に位置し、高速道路や港湾へのアクセスに優れていることから、電子機器、精密部品、食品、機械、物流関連など幅広い業種の企業が進出しています。
インフラ整備や電力・上下水道などの設備水準が高く、外資系企業が安心して操業できる環境が整っています。そのため、日本企業を含む多くの海外企業から高い評価を受けています。
| 所在地 | 旧ハイフォン市 Thuỷ Nguyên地区 |
|---|---|
| 主な産業 | 電子機器・精密部品・食品・物流・一般製造業 |
| 特徴 | VSIPブランドによる高品質インフラ |
| アクセス | 港湾・高速道路・空港へのアクセスが良好 |
企業担当者向けポイント
工場建設から操業開始までの環境が整備されており、初めてベトナムへ進出する企業にも人気の高い工業団地です。
Japan – Hải Phòng Industrial Park(日本・ハイフォン工業団地)
Japan – Hải Phòng Industrial Park(日本・ハイフォン工業団地)は、もともと日本の野村グループが開発に携わったベトナム初の日系工業団地として知られています。
現在は「Japan – Hải Phòng Industrial Park」が正式名称ですが、日本企業の間では旧名称である「Nomura Industrial Park(野村工業団地)」の名称も広く使われています。
長年にわたり日本企業の進出を支えてきた実績があり、電子部品、機械加工、精密機器、自動車関連企業など、多くの日系メーカーが操業しています。
工業団地内には日本企業向けのサポート体制も充実しており、初めてベトナムへ進出する企業でも比較的安心して事業を開始できる環境が整っています。
| 所在地 | 旧ハイフォン市 An Dương地区 |
|---|---|
| 主な産業 | 電子・精密機械・自動車部品 |
| 特徴 | ベトナム初の日系工業団地 |
| 進出企業 | 日系製造業を中心に多数 |
現在でも、日本企業同士のネットワークが強く、部品調達や協力会社との連携がしやすいことが大きな魅力となっています。
企業担当者向けポイント
日系企業との取引や情報交換を重視する企業にとって、有力な進出候補となる工業団地です。
Tràng Duệ Industrial Park(チャンズエ工業団地)
Tràng Duệ Industrial Parkは、ハイフォン市を代表する電子産業集積地の一つです。 特にLGグループの大型投資によって急速に発展し、現在ではベトナム北部を代表するハイテク工業団地となっています。
LG Electronics、LG Display、LG Innotekをはじめ、多数の関連サプライヤーが進出しており、電子部品や半導体関連企業の集積が進んでいます。
近年は韓国企業だけでなく、日本企業や台湾企業も増えており、電子産業のサプライチェーン形成がさらに進んでいます。
| 所在地 | 旧ハイフォン市 An Dương地区 |
|---|---|
| 主な産業 | 電子機器・ICT・半導体・精密部品 |
| 特徴 | LGグループ関連企業が集積 |
| アクセス | 港湾・高速道路まで約20〜30分 |
電子産業を中心に巨大なサプライチェーンが形成されているため、設備メーカーや物流会社、部品メーカーなどにとっても魅力的な立地となっています。
企業担当者向けポイント
電子機器や精密部品、半導体関連企業との取引を目指す企業にとって、ハイフォン市内でも特に注目すべき工業団地です。
Nam Đình Vũ Industrial Park(ナムディンブー工業団地)
Nam Đình Vũ Industrial Parkは、港湾・物流・工業団地が一体となって整備されたハイフォン市を代表する大型工業団地です。
Lạch Huyện港やĐình Vũ港に近接しており、輸出入を行う企業にとって非常に利便性の高い立地となっています。
電子機器や機械製造だけでなく、石油化学、物流倉庫、港湾関連サービスなど幅広い業種が集積しています。
また、港湾に隣接する立地を活かし、輸出入貨物の保管や配送拠点として利用する企業も増えています。
| 所在地 | 旧ハイフォン市 Hải An地区 |
|---|---|
| 主な産業 | 物流・港湾・石油化学・製造業 |
| 特徴 | 港湾一体型工業団地 |
| アクセス | Lạch Huyện港まで約15分 |
企業担当者向けポイント
輸出比率が高い企業や物流コストを重視する企業にとって、有力な進出候補となる工業団地です。
An Dương Industrial Park(アンズオン工業団地)
An Dương Industrial Parkは、ハイフォン市中心部から比較的近い場所に位置する工業団地です。
市街地へのアクセスが良く、従業員の通勤や採用面でも優位性があります。
電子部品、機械加工、一般製造業を中心に企業が進出しており、中小規模の日系企業も多く操業しています。
生活インフラが整っていることから、日本人駐在員や現地スタッフの生活環境も比較的良好です。
| 所在地 | 旧ハイフォン市 |
|---|---|
| 主な産業 | 一般製造業・電子・機械 |
| 特徴 | 市街地へのアクセスが良好 |
企業担当者向けポイント
通勤利便性を重視する企業や、日本人駐在員が多い企業にも人気があります。
Nam Cầu Kiền Industrial Park(ナムカウキエン工業団地)
Nam Cầu Kiền Industrial Parkは、ベトナムでも珍しい「エコ工業団地」をコンセプトとして開発された工業団地です。
環境負荷の低減や循環型産業を重視しており、近年は環境関連企業や機械メーカーからも注目されています。
機械加工、金属加工、物流、環境関連設備など、多様な企業が進出しており、今後さらに開発が進むと期待されています。
| 所在地 | 旧ハイフォン市 |
|---|---|
| 主な産業 | 機械・環境関連・物流 |
| 特徴 | 循環型産業を目指すエコ工業団地 |
企業担当者向けポイント
ESGや環境配慮型経営を重視する企業から注目されている工業団地です。
旧ハイズオン省エリアの主要工業団地
2025年の行政区画再編により、旧ハイズオン省にあった工業団地も現在はハイフォン市の一部となりました。
この地域は従来から製造業が盛んであり、比較的広い工業用地や豊富な労働力を活かして、多くの外資系企業が進出しています。
| 工業団地 | 主な特徴 |
|---|---|
| Đại An Industrial Park | 外資系企業が多数進出する代表的工業団地 |
| Phúc Điền Industrial Park | 高速道路へのアクセスが良く電子・機械メーカーが集積 |
| Tân Trường Industrial Park | 製造業全般に対応し豊富な労働力を確保しやすい |
港湾機能を持つ旧ハイフォン市エリアと、生産拠点として発展してきた旧ハイズオン省エリアが一体となったことで、現在のハイフォン市はベトナム北部でも最大級の製造・物流都市へと成長しています。
- 港湾物流
旧ハイフォン市エリアは輸出入を支える港湾機能が充実しています。 - 製造業の集積
旧ハイズオン省エリアには幅広広い業種の工業団地が立地しています。 - 相乗効果
港湾・物流・製造が一体化したことで、企業のサプライチェーン構築がしやすい環境となりました。
ハイフォン市に進出している日系企業
ハイフォン市には、日本をはじめ韓国、台湾、欧米など世界各国の企業が進出しています。 特に日系企業は製造業を中心に数多く進出しており、自動車部品、電子機器、機械、物流、化学など幅広い分野で事業を展開しています。
近年は港湾インフラや高速道路の整備により、輸出型製造業の拠点としてさらに注目されており、日本企業の新規投資も継続しています。
| 企業名 | 主な事業 |
|---|---|
| Bridgestone Vietnam | 自動車用タイヤ製造 |
| Nipro Pharma Vietnam | 医療機器・医薬品関連 |
| Yazaki Group | ワイヤーハーネス製造 |
| Kyocera関連企業 | 電子部品・精密機器 |
| 多数の日系物流企業 | 国際物流・倉庫・フォワーディング |
また、LGグループを中心とした韓国企業の大型投資に伴い、多くの日本企業がサプライヤーとして進出していることもハイフォン市の特徴です。 電子部品、樹脂成形、金属加工、産業機械、設備保全、物流など、さまざまな分野で日本企業が活躍しています。
企業担当者向けポイント
既に多くの日系企業が進出しているため、部品調達や物流、設備保全、人材採用などのネットワークを構築しやすい環境が整っています。
ハイフォン市の日本人生活環境
ハイフォン市には製造業を中心に多くの日本企業が進出していることから、日本人駐在員やその家族も数多く生活しています。 近年は日本人向けの飲食店やスーパーマーケット、日本語対応可能な病院なども増えており、以前と比べて生活環境は大きく向上しています。
| 日本食レストラン | 多数あり |
|---|---|
| 日本語対応病院 | 一部対応可能 |
| 大型ショッピングモール | AEON・Vincomなど |
| ゴルフ場 | 市内・近郊に複数 |
| ハノイまで | 約1時間30分〜2時間 |
また、高速道路の整備によりハノイへのアクセスも良く、週末にハノイへ出掛ける日本人も少なくありません。 一方で、ハイフォン市内だけでも生活に必要な施設は十分整っており、近年は駐在員だけでなく現地採用として働く日本人も増えています。
- 生活コスト
ハノイ中心部と比べると住宅費を抑えられるエリアもあります。 - 生活利便性
大型商業施設や飲食店が増え、日本人にとって暮らしやすい環境が整っています。 - 休日の過ごし方
カットバ島やドーソンビーチなど、海に近いリゾートを気軽に楽しめます。
ハイフォン市の将来性
ハイフォン市は、ベトナム政府が重点的に開発を進めている北部経済圏の中心都市の一つです。 港湾、高速道路、空港、工業団地が一体となった都市構造を持つことから、今後も国内外からの投資拡大が期待されています。
2025年の行政区画再編により旧ハイズオン省が統合されたことで、港湾都市としての機能に加え、製造業や労働力も大幅に強化されました。 これにより、ベトナム北部でも最大級の産業都市として、さらなる発展が見込まれています。
- 港湾物流の強化
Lạch Huyện港を中心に国際物流拠点として発展しています。 - 工業団地の拡大
新たな工業団地の整備や既存団地の拡張が進められています。 - 外資系企業の投資拡大
電子機器、自動車部品、物流分野を中心に大型投資が続いています。 - 北部ベトナム経済の中心都市へ
行政区画再編により人口・産業規模ともに拡大し、ベトナムを代表する経済都市として成長が期待されています。
今後も港湾物流と製造業が相乗効果を生み出すことで、ハイフォン市はベトナム北部のみならず、ASEANを代表する生産・物流拠点としてさらに重要性を高めていくと考えられます。
自由貿易区・特殊経済区の整備で新たな成長段階へ
2026年、ハイフォン市では新たな産業集積を目指す大型プロジェクトが本格的に動き始めました。
まず、市西部では約5,300haの「ハイフォン特殊経済区(Khu kinh tế chuyên biệt Hải Phòng)」が設立されました。
この経済区は、ベトナム政府の首相決定第288号/QĐ-TTg(2026年2月12日)に基づいて整備されるもので、工業団地だけでなく、商業・サービスエリア、物流センター、イノベーションセンター、非関税エリアなどを備えた複合型経済圏として計画されています。
高付加価値製造業や研究開発、先端技術産業の集積拠点となることが期待されています。
また、ハイフォン市は南部沿岸経済区(約2万ha)の中核プロジェクトとしてハイフォン自由貿易区(Free Trade Zone)の整備も進めています。
自由貿易区には、ラックフエン港やナムディンブー工業団地周辺が含まれ、港湾・物流・製造業を一体化した国際ビジネス拠点として発展させる方針が示されています。
ハイフォン市では、既存のディンブー・カットハイ経済区に加え、南部沿岸経済区、そして特殊経済区という3つの戦略的な成長エリアを軸に、港湾・物流・製造業・研究開発を組み合わせた新たな産業基盤の構築を進めています。
こうした取り組みにより、ベトナム北部だけでなくASEAN全体を視野に入れた国際競争力の強化が期待されています。
最新トピック
2026年上半期のハイフォン市の域内総生産(GRDP)成長率は11.33%となり、11年連続で2桁成長を記録しました。同時に約32億USD規模の投資案件も発表されており、今後も国内外からの投資拡大が期待されています。
参考文献(政府・自治体公式)
ベトナム政府ポータル(Quyết định số 288/QĐ-TTg)
ベトナム政府官報(Quyết định số 288/QĐ-TTg)
ハイフォン市公式ポータル(特殊経済区の概要)
ハイフォン市英語版ポータル(Special Economic Zone)
よくある質問(FAQ)
Q1. ハイフォン市とはどのような都市ですか?
ハイフォン市はベトナム北部を代表する港湾都市であり、2025年の行政区画再編によって旧ハイズオン省と統合されました。現在は港湾物流と製造業が集積するベトナム最大級の経済都市の一つです。
Q2. ハイフォン市にはどのような工業団地がありますか?
DEEP C、VSIP Hải Phòng、Japan – Hải Phòng Industrial Park、Tràng Duệ、Nam Đình Vũなど、多くの大型工業団地があります。また、旧ハイズオン省エリアにも代表的な工業団地が多数あります。
Q3. 日系企業は多いですか?
はい。製造業を中心に多くの日系企業が進出しています。自動車部品、電子部品、物流、医療関連など幅広い業種で日本企業が事業を展開しています。
Q4. ハノイからどれくらいで行けますか?
高速道路を利用すると約1時間30分〜2時間程度です。日帰り出張も十分可能な距離です。
Q5. ハイフォン市は物流拠点として優れていますか?
はい。Lạch Huyện港を中心とした国際港湾を有しており、ベトナム北部最大級の物流拠点として発展しています。
Q6. 日本人が生活しやすい環境ですか?
日本食レストランや大型商業施設、日本語対応可能な病院などが増えており、日本人駐在員や現地採用者も生活しやすい環境が整っています。
Q7. 今後も投資は増えるのでしょうか?
港湾インフラや工業団地の整備が進められており、今後も国内外からの投資拡大が期待されています。
Q8. ベトナム進出先としてハイフォン市はおすすめですか?
輸出型製造業や物流関連企業にとっては非常に魅力的な地域です。港湾へのアクセスや工業団地の充実度など、多くのメリットがあります。
ハイフォン市を代表する観光スポット「カットバ島」
ハイフォン市は工業都市・港湾都市として知られる一方で、美しい自然にも恵まれています。 その代表的な観光地がカットバ島(Cát Bà)です。
カットバ島は世界自然遺産「ハロン湾」と隣接する島で、美しい海や石灰岩の景観、国立公園など豊かな自然が残されています。 近年はリゾート開発も進み、日本人駐在員や観光客にも人気のスポットとなっています。
週末にはハイフォン市内から気軽に訪れることができ、ビーチやクルーズ、ハイキングなどを楽しめます。 産業都市としての一面だけでなく、自然豊かな観光地が身近にあることも、ハイフォン市の魅力の一つです。
まとめ
2025年の行政区画再編によって、旧ハイフォン市と旧ハイズオン省が統合され、新たなハイフォン市が誕生しました。
港湾都市として培ってきた物流機能に加え、製造業が盛んな旧ハイズオン省エリアが一体となったことで、現在ではベトナム北部最大級の工業・物流都市へと発展しています。
市内にはDEEP CやVSIP Hải Phòng、Japan – Hải Phòng Industrial Park、Tràng Duệなど世界的にも評価の高い工業団地が集積し、多くの日系企業や外資系企業が進出しています。
また、日本人が生活しやすい環境も整いつつあり、今後も投資や雇用の拡大が期待されています。 ベトナム進出や製造拠点の新設、生産移管などを検討する企業にとって、ハイフォン市は今後も有力な候補地の一つとなるでしょう。
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